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吉野家、男塾コラボ騒動で謝罪も客離れ加速か。問い合わせへの“ケンカ腰対応”発覚で「お客様恫喝室」「“嫌なら食べるな”から変わってない」との声

牛丼チェーンの吉野家が行っている名作漫画『魁!!男塾』とのコラボキャンペーンを巡り、吉野家がキャンペーン参加者に対して“後出しじゃんけん”とも言える対応をしたとして、批判の声が殺到。吉野家側が謝罪の声明を出す事態に発展している。

取沙汰されているのは、同キャンペーンでもらえる特典のひとつである「お名前入りオリジナル丼」で、1回の来店につき1米礼(マイル)もらえるポイントを、220米礼貯めるともらえるというもの。その名の通り、丼には任意の名前が記載できるとアナウンスされており、それを目当てに足繁く吉野家に通っていたという参加者も多かったようだ。

ところがいざポイントを貯め、特典を獲得できる段階になって閲覧できるページに行くと、そこには“名入れは本名に限定する”といった旨の記載があったという。

1米礼の獲得には1日1回、1回あたり税込300円以上の支払いが必要ということで、220米礼を貯めるにはおおよそ6万円以上、200日程度の日数がかかるとのこと。参加者にそれだけの費用や時間をかけさせた挙句の予告なしの仕様変更に、参加者からは当然のように不満の声が噴出する事態となった。

これを受けて吉野家は24日、「お客様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪のリリースを公開。著作権、商標権等、第三者の知的財産権等の侵害に該当する言葉、誹謗中傷などにあたる言葉等を除き、本名に限定することなく名入れできるようにしたという。

以前から悪評高かった吉野家のお客様相談室

完全自由な名入れを許すと、著作権侵害などの問題が発生する可能性があることを、事前に見越すことができないままキャンペーンを開始した点。さらに、そのことに気付いた後に、参加者への説明を一切せずに仕様を変更した点など、吉野家側の拙すぎる対応が非常に目立つ今回の一件。

ただ上記の事象以上に、キャンペーン参加者はもとより広く消費者から怒りを買う格好となっているのが、同社のお客様相談室による“ケンカ腰”との声まであがっている、威圧的ともとれそうな対応ぶりだ。

今回の“男塾コラボ”の件で、吉野家のお客様相談室に問い合わせたキャンペーン参加者のツイートによると、その回答には“差別行為”“人権差別”などといった穏やかでないワードが。

誤字脱字がところどころ散見されるその回答文は、「訴訟をされるとのことでしたら、弊社弁護士が真摯に対応させていただきます」と締めくくられており、おおよそ客に対して送る文章とは思えないような代物だ。

もっとも吉野家のお客様相談室の評判は、これ以前から相当悪かったようだ。2018年には、実際の注文よりも高い代金を請求されたという利用者が、同相談室に苦情を入れたところ、相談室室長により理不尽に激しく怒鳴られたとして、その音声が公開される事態に。

ちなみにその際の室長と、今回の男塾コラボでの“ケンカ腰”の主は、同じ人物ではないかとも取沙汰されている状況だが、いっぽうでその名前については、いわゆる映画クレジットタイトルにおける「アラン・スミシー」同様、偽名の類なのではという見方も多いようだ。

お客様相談室の対応が原因で立てこもり事件も発生?

このように、過去にもたびたび取沙汰されてきた吉野家お客様相談室による“ケンカ腰”“威圧的”な対応ぶりだが、それへの不満が爆発する格好となったのではと囁かれているのが、2021年12月に起きた“立てこもり事件”だ。

千葉県八千代市にある吉野家の厨房に50代ぐらいの男が押し入り、刃体約16センチの包丁を手に立てこもったというこの事件。およそ1時間半後に身柄確保された犯人だったが、説得を試みる警察に対して金銭などの要求はせず、ただ「カスタマーセンターの対応が悪い」と訴えていたというのだ。

立てこもり事件を引き起こした犯人に一分の理もないのは当たり前だが、逆にそこまでのことをしでかす動機となったカスタマーセンターの対応とは、どれほどのものだったのか……と思いたくもなるところ。このように、過去の事例を振り返ってみても問題大アリな吉野家お客様相談室に対しては、何らかの改善が必要だとの声が、今回の件を機に改めて多数あがっている状況だ。

いわゆる牛丼業界の中心に長らく君臨し、熱烈なファンも多い印象の吉野家。だが、ただ2003年の狂牛病問題の折には、問題視されていたアメリカ産牛肉を使用していることを咎められた同社幹部が「どうしても心配で食べたくないという人は、食べなければいいのではないか」と発言したことが、消費者の間で大いに物議を醸したことも。

さらに、一度は倒産の憂き目にあった吉野家を作中で頻繁に取り上げることで、その復活に一役買った人気マンガ『キン肉マン』の作者・ゆでたまご氏に対しては、その恩を忘れたかのような対応を幾度もするなど、その経営姿勢はファンをたびたび失望させてきた。

今回の件も、先述のリリースにおいて事前説明なしの名入れの仕様変更に関しては謝罪しているものの、お客様相談室の対応に批判が集まっている件には、一切触れられていない状況。吉野家側としては、それに関しては問題だとは認識していないようだが、むしろそちらのほうを問題とする声が少なくないことを理解しないことには、今後同じような失態をさらすのは火を見るよりも明らかだろう。

Next: 「コアなファンを社員自らが小馬鹿にしてるのが見え見え」

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