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日本国民はまるで政府のATM。給料の半分近くを税金と社会保険料で毟り取り、30年の失政のツケを私たちに払わせている=鈴木傾城

政府の30年の失策のツケを国民が身銭を切って払っている

「社会保険料が高いと言っても高齢者が増えたのだから仕方がない」という人もいるのだが、こういう考え方をすること自体が「政府の教育の成果」であるとも言える。

そもそも「高齢者が増えた」というのは、相対的に言えば「子どもたちが減っている」ということである。子どもたちが減っているというのは、この30年間の政府の失策で国民が「子どもを作れない社会になってしまった」ということである。

それもそうだ。日本政府は1989年に消費税を取り入れ、1993年には総量規制を取り入れてバブルを全力で破壊した。1997年には消費税を5%引き上げて超就職氷河期を作り出し、非正規雇用者を大量に増やして若者を貧困化させていった。

そして、5%でも飽き足らず消費税8%へ。さらにそこから10%へ……。そうやって以後の日本を首を締め上げるように貧しい国にした。

経済的不安定な状態の中で「結婚しよう」とか「子どもをどんどん産もう」と思う若年層は減る。そういう事態が積み上がって、最終的に「子どもたちが減っていく」社会が出現した。「政府がそうした」のだ。

要するに、高齢者が増えたというのは、自然にそうなったのではなく、政府の30年の失策でこうなったのである。しかも、多くのアナリストが「少子高齢化になる、少子高齢化を放置するな」と警鐘を鳴らしている中で、日本政府は無為無策で30年を過ごした。

そして、結局は世界最悪の少子高齢化の社会を招いて、日本政府は社会保険料を30年で2倍も引き上げ、さらに年金を下げ、年金受給年齢も引き上げている。

この年金支給のために必要な財源は「賦課方式」で準備しているので、少子高齢化を放置した結果として高齢者の年金受給額は減って若年層の負担が重くなるという二重の意味での失策を日本政府は犯している。

政府の30年の失策のツケを国民が身銭を切って払っているというわけだ。

このまま放置していたら、私たちは支払いで潰れていく

改めて言うが、政府が国を成長させたいのであれば、個人が豊かになってガンガン消費できる国を目指せばいい。

ところが政府は「財政赤字がキツい」「プライマリーバランスの黒字化をしないと日本が崩壊する」と言いながら、ひたすら予算を削り、国民に増税して、国民の給料の半分近くをむしり取って日本人が「消費できない国」にしている。

しかも「構造改革だ」とか言って非正規雇用者をどんどん増やして国民の生活を不安定かさせて、ここでも日本人が「消費できない国」にしている。その上、少子高齢化で消費人口をも減らしているのである。

今の日本政府がいかにでたらめな国なのか、開いた口が塞がらないほどだ。今の日本政府は、率先して「個人がまったく消費できない環境」にしているのである。その結果、企業も成長できなくさせており、経済がどんどん萎縮している。

経済縮小(デフレ)は30年以上も続いているのだが、日本政府の政策が「完全に間違っているから」こんなことになっているのだ。

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