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安倍氏逝去で消えた“忖度の壁”。アベノマスク業者メール発見・五輪贈収賄発覚と霞が関の風向きに大きな変化=今市太郎

安倍元首相が亡くなってから無いはずの「アベノマスク」発注メールが発見されたり、完全タブーの五輪贈収賄にも捜査の目が向けられるようになりました。長期政権が作り上げた「忖度」の壁が崩壊し、義憤に駆られた官僚・役人たちが自由を取り戻し、霞が関に大きな変化が訪れ始めたように見えます。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2022年7月23日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

“忖度”をやめた役人たち

安倍元首相の8年間におよぶ政権を闇雲に絶賛する人が意外に多くいます。

しかし、その実態はとにかく過去に前例がないぐらい法律を無視し、人事権を振りかざして役人を脅かしまくった8年でした。

書類が命のはずの官僚に「すべて廃棄した」などと忖度の嘘をつかせるなど、もうやりたい放題で、「お友達資本主義」を徹底謳歌した時間であったといえます。

ご本人は、さぞや権力を謳歌して、楽しい時間を過ごされたことでしょう。神羅万象を司る恐るべきその大魔王総理が、突然、姿を消したことにより、どうも役人の世界にはこれまでと違った風が吹き始めているように見えます。

すでに忖度を必要としない、元の平和な役人の世界が一部ながら戻ってこようとしていることを感じる事柄が、次々と起こりはじめています。

無いはずのアベノマスク業者のメールが発見される

2年前、安倍元首相がいきなり配布を決めたアベノマスクは、凄まじく出来の悪いものとして有名になりました。

7月14日、このマスクの納入業者との解約過程で作成された文書の開示を求めた訴訟の弁論が大阪地裁で行われたところ、それまで一切存在しないとされてきた厚生労働省の職員2人と業者とがやり取りしたメール100通以上が突然に見つかるという、珍事件が発生しています。

安倍元首相が襲撃されて命を落すことになってから、わずか6日後のことでした。

まあ、たまたま見つかったといえば、それまでなのでしょう。

見方を変えれば、忖度官僚が我慢せずに済む、元の世界がじわじわと復活を遂げていることが見えてくる状況です。

Next: 東京地検特捜部は「完全タブー」の五輪組織委元理事の収賄疑惑に迫る

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