最近では度重なる不祥事で注目を集めることが多い回転寿司チェーンの「スシロー」だが、その運営会社である株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの株価が、今年の年始と比べてだいたい半値近くまで下がっていると話題になっている。
昨年末の段階ではだいたい4,300円あたりを推移していた同社株。ところが最近の株価だが、8月5日の終値が2,345円となるなど、この7か月間で大幅な落ち込みとなっているようだ。
ちなみにFOOD & LIFE COMPANIESだが、今月4日には2022年9月期の連結純利益が従来予想の87億円から30億円に下方修正し、前期比で77%減となる見通しだと発表している。
利用者からも「店内ガラガラ」との声が多数
ここ数年は、新型コロナの感染拡大の波に翻弄されっぱなしといった外食産業。現に今回のスシロー運営会社の業績下方修正に関しても、同社が発表したIRには「国内各事業会社における来店客数の回復が想定を下回った」と、コロナの影響を理由のひとつにあげている。
ところが他の回転寿司チェーンを見てみると、いわゆるコロナ“第6波”が収束した後である今年6月の既存店売上高は、くら寿司で8.6%増、かっぱ寿司のカッパ・クリエイトで1.5%増、元気寿司で6.6%増と、軒並み増収に。しかしスシローのFOOD & LIFE COMPANIESに関しては2.5%減と、なぜか前年割れとなってしまっているのだ。
となればスシローに関しては、やはりコロナの影響が云々ではなく、最近の度重なる不祥事発覚によるイメージダウンが、経営に暗い影を落としているとみるのが自然だろう。
ウニやカニといった豪華ネタの寿司をお手頃価格で提供するキャンペーンを実施すると、大々的に広告を打っておきながら、実際には在庫をほとんど確保できていなかったという、いわゆる「おとり広告」を指摘され、消費者庁から再発防止を求める措置命令が出されたのは今年6月のこと。
また、その直後である7月には、店内に「ビール半額」と掲出しながらも、実際には定価で販売していたことが発覚し、対象者にはレシート持参で返金対応をすることに。さらに、そのビール半額キャンペーンにおいても、一部の店舗で再び品切れになる事態を巻き起こし、挙句の果てには「半額キャンペーンのビールはジョッキが小さい?」といった疑いまで浮上するなど、利用者の期待を裏切るような出来事が相次いでいるのだ。
それだけに、当面はスシローの利用を控えるといった向きもやはり増えているようで、SNS上には「いつも外から見ても混んでるのにめちゃガラガラやった」「日曜日の昼間に店内ガラガラ」などといった投稿が多くみられるなど、目に見えるレベルで客足が鈍っているといった状況。
スシロー景品表示法のダメージ思ったよりでかいな。いつも外から見ても混んでるのにめちゃガラガラやった
— じゅんちゃん (@junchann0202) August 4, 2022
日曜日の昼間に店内ガラガラだったスシロー
かなりやばくないかな?— ブール@カールはうすあじ (@jerry2530) August 4, 2022
品切れ多数…まったく改善していない?
また、そんななかでスシローを利用したという客からは、期間限定品が多数品切れになっているとの声や、期間中のキャンペーンなはずなのに準備中の表示が出ているといった報告が少なからずあがっており、先般大いに取沙汰された問題点は依然として解消されていない模様。
利用者からは「スシローが改心してなくて草」「まだこんなことやってんのか」との声もあがっており、失墜してしまったイメージを挽回するどころか、そのまま固定化されてしまいかねないような状況に陥っているようだ。
並ぶことなく入れる客量
案の定ガラガラで空席ばかり
なのに期間限定品の品切れ・準備中多数スシローが改心してなくて草#スシロー#スシロー詐欺 pic.twitter.com/1rT4HQwmG9
— 幸田二輪 (@KoudaNirin) July 31, 2022
スシロー 天然本鮪6貫盛り 8/1(月)~って宣伝してるけど、8/2(火)に行ったら準備中・・・・。
まだこんなことやってんのか。 pic.twitter.com/TugS1Yu5xQ— Nishitaga(即時停戦を!) (@nishitaga) August 2, 2022
スシロー 綱島 日曜日の夕方なのにガラガラ
流石にやらかしてるからな。。。
店頭に今日の売り切れ書いてあるんですが、入ってメニュー見ると記載以外の売り切れメニューがいっぱい。
懲りないな〜#綱島#樽町 pic.twitter.com/umsVjqHl71— xlxlxl (@xlxlxl64439042) July 31, 2022
「ネタ小さくなった?」ステルス値上げ疑惑も浮上
群雄割拠の回転寿司業界において、売り上げ1位の座に就いて久しいスシローだが、国内の店舗数のほうも、19年9月末に531店だったのを22年7月末には22%増の649店とするなど、このコロナの最中でも積極的に出店を続けている。
だが、品切れ・準備中の商品を多数出してしまう、さらに末端の各店舗にはキャンペーンなどのレギュレーションが正確に行き届かないといった昨今相次いでいる不始末は、ひとえにそんな急拡大路線が仇となり起こったのではというのが、もっぱらの見方のようだ。
いっぽうでスシローといえば、郊外型店舗で現行110円(税込)の黄皿を120円(同)にするなどの値上げを、今年10月から実施することを公表している。それも今後の経営にどう影響するのか読めないところだが、いっぽうで利用者からはすでに「なんかネタが小さくなった?」といった声もチラホラ。
今日は妻と2人でスシロー
なんかネタが小さくなった?
全然腹にたまらん感じ pic.twitter.com/qXj1wqvEKT
— パンジャ (@panja_keiba) August 4, 2022
最近のスシロー、あからさまに寿司もビールのジョッキも小さくなって、世知辛さしかなかった。
— Crispy! (@crispy2d) August 4, 2022
国分○で食べたスシローはCMみたいに美味しそうじゃなくネタは小さくシャリも小さくグシャグシャだったな。。基本100円だから文句は言わんがリピートはできないクオリティだと思ってから行ってないわ!
— 鮫島@核シェア/軍事力強化/核武装支持 (@nJtXNpkIOzB7ShI) August 5, 2022
要は、昨今の急激すぎる物価高騰に堪え切れず、本番の値上げを目前に控えつつも、それに先んじて“ステルス値上げ”が行われているのでは……といった疑惑も、ここに来て浮上しているワケで、スシローとしてはこのように次々と悪評が噴出するという、まさに負のスパイラルに陥っているといった状況。
高原価率に裏打ちされた確かなネタのクオリティで広く一般の支持を得て、業界トップの座に君臨し続けているスシローだが、当分はここ数か月で負ってしまったネガティブイメージを払拭し、利益や株価を回復させることに汲々とすることとなりそうだ。
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