外食需要の喚起策「Go Toイート」のプレミアム付き食事券について、東京都内においては26日から、およそ2年ぶりに販売が再開された。
報道によると、26日に販売が再開されたのはデジタル版の食事券。飲食店やインターネットへのアクセス集中を避けるため、購入は抽選制となっている。食事券の販売期間は12月25日までで、利用期間は来年1月25日まで。ただ食事券は、売り切れ次第販売を終了するという。
飲食店関係者からは「僕としてはうれしいかぎり。来ていただけるお客さんが増えるいい機会かなとは思います」などと、再開を歓迎する声があがっているようだ。
「鳥乞食」を生んだポイント付与は行われず
東京と大阪を除く45道府県では、予算を使い切ったため既に終了しているというGo Toイート。2年前の同事業スタート時、東京都に関しては新型コロナウイルスの急激な感染拡大で、わずか1週間で停止に追い込まれたということで、このタイミングに改めて実施再開となった格好だ。
ちなみに東京・大阪以外の地域でも、静岡県においては「しずおか食べトクキャンペーン」の電子食事券の販売が今月から開始。また宮崎県では同じく「ひなた認証飲食券」の追加発行が先日決まるなど、各県が独自でプレミアム付き食事券を販売する動きは少なからずあるようである。
さて、今回都内向けとして発売される食事券は、1セット1万円で購入し1万2500円分になる紙の“アナログ版”と、1セット8,000円で購入し1万円分になるスマホ掲示の“デジタル版”の2種類。
いっぽうで、2年前との大きな違いとして挙げられるのが、前回あったオンライン飲食予約の利用による“ポイント付与”が無くなっている点だ。
食べログやホットペッパーグルメといった、オンライン予約サイトで予約して来店すれば、ランチタイムなら1回の来店につき500ポイント/人、15:00以降のディナータイムなら1,000ポイント/人がもらえた、先のポイント付与タイプ。
ところがこのシステムを逆手に取り、1,000円以下に抑えた食事を何度も繰り返すことで、生じた差額をガメようとする者が世間で続出したのだ。
その際に、単価の安い飲食店として「鳥貴族」が広くターゲットにされたことから、SNS上では「トリキの錬金術」「鳥貧民」「鳥乞食」などと揶揄されたこれらの行為。
さすがの政府もこの状況を看過できず、ポイント相当額を下回る飲食は対象外とする処置が、しばらくした後に取られたわけだが、今回の再開にあたっては2年前のこの大混乱から大いに学習したのか、プレミアム付き食事券の販売のみとなった模様である。
バラマキ埋め合わせの“増税”を予見する声も
今回再開された都内向けのGo Toイートプレミアム付き食事券だが、デジタル版の抽選結果は来月8日の午後3時以降に分かり、当選し次第、食事券が使えるとのこと。いっぽうでアナログ版は、来月10日から抽選申し込みが始まるということで、いずれにしても今から購入しようとしても、利用できるのは少し先のことになりそう。
一足早く始まっていた「全国旅行支援」が、事前に予約したプランが対象外になるケースが続出するなどかなりの混乱が生じたのに対し、今回のGo Toイートはプレミアム付食事券の発行のみで、しかも抽選での販売ということで、そこまでの大きなトラブルはなさそうな情勢。
ただ、前回の“ポイント付与”だと低額な飲食でも活用できたのに対し、食事券の発行となると、今回のケースならアナログ版で1万円、デジタル版でも8,000円は最低掛かるように、普段あまり外食をしない、あるいは家計逼迫で外食の余裕などないといった方や家庭にとっては、なかなかハードルが高いものに。その点で「不公平」であるという声も、少なからずあがっているようだ。
非課税世帯には給付金が出て、お金ある人達にはGO TOイートや旅行支援がある。でも旅行行けない人や食事に1万円もの大金を出せない人は何も無し。ギリギリ非課税世帯じゃなくて子育て支援も無い貧乏単身者とかには何もない。世の中は不公平だなぁと思うよ。
— だいすけ (@mizukidaisuke) October 25, 2022
gotoイートだの、トラベルだの、血税の無駄遣いだよな~まず、今、外出促すとか冬の感染拡大を早めてでも、前倒しで一部の業種を稼がせる事に必死。旅行も外食もある種、余裕のある層だけのもの。そこに血税入れるなら、そんなもの使えるとこから税金沢山取ればいいのに。
— 沢口みき (@miki_sawaguchi) October 26, 2022
外食する余裕のない人の税金を、外食できる裕福な人たちへの補填に使うんですよね
GoToは税の不平等分配であり違法です。
利権を誘導する議員は後ろから撃たれても文句言えんよなw「Go To イート」、東京で2年ぶりに再開: 日本経済新聞 https://t.co/50uOxzqvsz
— たつま (@Tatsuma1968) October 26, 2022
全国旅行支援やGo Toイートは、当然その原資は税金で賄われているわけで、今後それらのバラマキを取り戻すための増税が待っているとの声も、早くも上がっているところ。旅行や外食をする余力がある者たちが大いに恩恵を受ける反面、その埋め合わせは満遍なく強いられるだろうという不条理に対し、支援が行き届かない貧困層を中心に不満は募るばかりといったところのようだ。
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