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HIS「ハウステンボス900億円売却」報道、価格は適正か?日本企業ではなく外資系ファンドに買われるワケ=澤田聖陽

旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、傘下のリゾート施設「ハウステンボス」を約900億円で売却すると報道されている。この金額は妥当か?また、なぜ売却先が日本企業ではなく外資ファンドだったのかについて検証したい。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

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※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2022年8月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

※毎月第3木曜日19:30よりまぐまぐ!Live配信予定「『投資に勝つ』ための最新ニュース解説
投資に勝つにはまず第一に情報分析。「投資に勝つ」という視点から日常のニュースをどのように読むべきかを、この記事の著者で、元証券会社社長で現在も投資の現場の最前線にいる澤田聖陽氏が解説します。視聴方法はこちらから。

旅行大手HISが「ハウステンボス」を900億円で外資ファンドに売却へ

旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、傘下のリゾート施設「ハウステンボス」を約900億円で売却すると報道されている。

売却先は香港の外資系ファンドであるPAGグループである。

HISはコロナの影響で旅行が激減し、コロナ前の2019年10月期が売上808,510百万円、経常利益17,089百万円であったのに対し、2020年10月期は売上430,284百万円、経常損失▲31,283百万円、2021年10月期は売上118,563百万円、経常損失▲63,299百万円と2期連続の大幅減収で赤字を計上している。

2022年10月期第2四半期は68,491百万円、経常損失▲28,111百万円と引き続き厳しい状況にあり、自己資本比率も5.8%まで低下している状況だ(2019年10月期末の自己資本比率は16.8%)。

財務状況改善のためにも、HISにとってハウステンボスの売却先を進めることは急務であった。

ハウステンボスは、HISが株式の3分の2を保有、その他を九州電力、西部ガス、九電工、JR九州、西日本鉄道の5社が保有しているが、5社の持分もHISが一度買取り、PAGに売却するようである。

赤字低迷も財務的には余力を残すハウステンボス

ハウステンボスは、HISの前は野村ホールディングス傘下の投資会社である野村プリンシパル・ファイナンス(NPF)が保有していたが、経営状況が思わしくなく、2010年4月にHISが経営参画し、その後前述の5社も出資を行った。

NPFの傘下にあった時にはリーマン・ショックの影響等もあり厳しい決算状況が続いていたが、HISの参画後は2010年9月期が5,570百万円、経常利益402百万円と早々に黒字化を達成している。

コロナ前の2019年9月期には売上28,381百万円、経常利益5,605百万円と順調に推移していたが、コロナで業績が暗転する。

2020年9月期は売上13,684百万円、経常利損失▲2,412百万円、2021年9月期は売上11,645百万円、経常損失▲2,080百万円と、2期連続で赤字に陥っている状況である。

しかしながら2021年9月期末で総資産42,305百万円に対して、純資産38,999百万円であり、自己資本比率92.2%と財務的にはまだかなり余裕がある。

Next: 900億円は高すぎる?なぜ日本企業ではなく外資ファンドだったのか

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