fbpx

カーシェア「走行距離0km」での返却が増加?簡易宿泊所、個室として利用など想定外のニーズが判明も、運営会社にとっては「招かれざる客」か

会員間で特定のクルマを共同使用するサービスとして、日本でも利用者が増えてきているカーシェアリングだが、最近では「走行距離0km」で返却されるという、想定外の使われ方をしているとの指摘が、SNS上で大いに話題となっているようだ。

話題になっているツイートによると、カーシェアリングを利用しつつも、実際は電話ボックス代わりや素泊まり場所として利用しているケースが多いとのこと。そのため、冷房や暖房を利かせるためにエンジンをかけることはあっても、走行距離に関しては0kmという形で利用を終えることになるようだ。

そんなカーシェアリングの意外な使い道に対しては、「そんな使い方があったとは」と素直に驚く向きも多いいっぽうで、「冷暖房完備ですし、快適です」「一時期オンライン英会話で利用してました」などと、実際に様々な用途で利用したことのある方からの感想も。さらに「家から追い出されたおっさんの簡易宿泊所に」といったヒドい見方も浮上するなど、様々な反応が飛び交っている。

低価格で一時のプライベート空間を確保可能

コロナ禍によりリモートワークの導入が進むいっぽうで、家族などと同居している方のなかには、自宅では仕事などに集中できるプライベート空間が確保できないといった悩みも浮上。

JR東日本がエキナカに個室ブース型のシェアオフィスを大々的に展開させるなど、その手の問題を解消するビジネスが最近は盛んであるが、今回取沙汰されているカーシェアリングの意外な使い道も、そういった流れのもと生まれたものと言えるのかもしれない。

実際、価格面ではどうなのかと見てみると、話題のツイートでもあがっていたタイムズのカーシェアの場合、入会時に1,650円のカード発行料がかかるものの、それ以降の月額基本料金は個人プランで880円。そこに都度都度の時間料金がかかるわけだが、車種にこだわりが無ければ最も安価なベーシッククラスで220円/15分という価格設定。確かに利用時間が15分区切りとなれば、「電話ボックス代わり」といった短時間の用途でも気軽に使えそうではある。

いっぽうで一夜の宿を求めるなら、18:00~翌9:00まで利用できる「ナイトパック」なるものも存在するようで、それだとベーシッククラスで2,640円。ネットカフェでひと晩を過ごすのと比べると同水準か少し割高なものの、ビジネスホテルなどでの宿泊よりはかなり割安といったラインだ。

ネットカフェも最近では鍵付完全個室といったところも多いが、昔ながらの板一枚で仕切られているのみといったところだと、周囲の客の物音が気になり、さらに仮眠中の置き引きなども心配になるところ。しかしクルマなら、窓から覗き込まれる心配はあるものの、完全なプライベート空間を確保することが可能だろう。

シートを倒せば横になることもできるし、さらにベーシッククラスで用意されている車種にはミニバンなども多いため、車内をフルフラットにすれば、より快適に休むことも。冷暖房も完備でスマホなどの充電も可能なうえに、もちろんクルマなので移動もできるというメリットもありそうだ。

「本来の用途で使いたい人が使えない」と訴える声も

このように、一時のプライベート空間確保のために持て囃されているとされるカーシェアリングだが、このような想定外の使い方が増えることで、本来の用途で使いたいという人々が使いにくくなるという「弊害」を訴える声も。また、宿泊などで使われたとされる後の車内は、シートなどが著しく汚れていたり、臭いがキツイといったケースも多々あるようである。

さらに、借りたクルマを別の駐車場などに移動させて利用するならばともかく、駐車料金を浮かせたいという思惑もあるのか、出発ステーションに停めたまま長時間利用するといったケースも、ここに来て増えているようだ。

カーシェアリングサービスのなかには、ひとつの出発ステーションに複数台のクルマが設定されていることも多く、出発ステーションに停めたまま長時間利用されるというのは、サービスを提供する側としてはかなり由々しき事態。ゆえに、そのような利用方法を公にNGにしているところも最近では出てきているようだ。

いっぽうで「電話ボックス代わり」「赤ちゃんが夜泣きしたときの避難所」といった使い方に関しては、運営側が推しているところもある模様。カーシェアリングサービスの思いの寄らない需要が明らかになったという今回の件だが、当の運営側にとってそういった利用客は、愛憎相半ばするといった存在のようだ。

Next: 「乗ったまま一向に発車しない人を見かけて不思議に思ったけど…」

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー