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株価4割下落でも“お家騒動”に揺れるクックパッドはまだ割高だ=栫井駿介

クックパッドの成長に暗雲。PER40倍の維持は難しい

クックパッドの顧客は料理をする人であり、その中でも有料会員になるような人は毎日料理をする主婦であることが多いでしょう。対象となりそうな30~40代の主婦の数は約1,000万人です。

それに対して有料会員が180万人ですから、すでにかなり高い有料会員率を持っています。逆に言えば、国内における成長余地は限られていると言えます。

ここから成長するためには、クックパッド以外の分野に事業を拡大するか、日本を出て海外へ本格進出する必要があります。

しかし、創業者の佐野氏は、前社長の穐田氏を中心に進められたM&Aを活用した事業の拡大路線に待ったをかけました。これまで買収してきた企業も売却する方針を示しています。

佐野氏の方針では、クックパッドが今後何で成長していくのが見えにくくなっています。料理を中心とする事業展開を掲げていますが、それだけでPER40倍を維持できるか疑問です。

仮に順調に有料会員が倍増し、純利益が2倍になったとしても80億円、甘く見ても時価総額1,000億円がいいところでしょう。

これまでも株価は下落を続けていますが、私の感覚ではまだ高い水準です。少なくとも今後の成長性に関して、市場は冷静に見ていると思います。

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2016年5月18日号)より

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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