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韓国を没落させる「敵か味方か」の二分法的思考。妥協は論外、国民の4割が反対派とは食事も結婚もせず=勝又壽良

滅びを告げるXデーはいつか

政治的な妥協ができずに対立し続ければ、韓国は滅びるほかない。

その1つの要因が、年金制度の崩壊である。現状のままでは、2050年までに年金財政が破綻するという危機的状況にある。文政権は、この問題について無関心を装っていた。年金財政破綻回避策といえば、年金掛け金の引き上げと年金給付時期の繰り下げしかない。

いずれも、国民には不人気な政策である。文氏は、そういう「火中の栗を拾う」冒険をしなかった。すべて次期政権へ先送りして、難問を避けたのである。

文大統領(当時)は、2018年11月、保健福祉部長官から国民年金改革案の報告を受けたが、「国民目線に合わない」と突き返した。改革案によれば、保険料率は9%から12~13%に引き上げる。年金所得代替率(現役時代の所得に対する年金比率)を35.40%(税引き後)から45~50%に引上げる内容であった。文氏の反対で、国民年金改革は水泡に帰した。国民負担になる案件を忌避したのだ。責任ある政治家の姿勢ではない。

尹政権は現在、これに取り組んでいる。具体案は出ていないが、ともかく改革して国民の老後生活を守らなければならない。だが、韓国経済の先行きは「合計特殊出生率」の急低下(21年は0.81)によって、危機的状況に追込まれている。このままでいくと、先細り経済が不可避である。

韓国国民年金財政推計委員会の予測では最近、超悲観的なものになった。現在、2,500万人の生産年齢人口(15~64歳)は、30年後には1,700万人台、50年後には1,200万人台にまで減少する。高齢化により経済の活力が失われ、経済成長率は2030年代に1%台、40年以降は0%台にまで低下し、60年以降はマイナスに転換するだけでなく、それがさらに60年以上も続くというのである。

こうして、マイナス成長が60年も続けば、「漢江の奇跡」は「漢江の没落」になってしまうと危機感が充満している。

韓国では、国民1人当たり名目GDPで日本を抜くというシンクタンクの予測を材料に、大喜びの報道が続いた。短期的予測では、過去の成長率趨勢線で見ているが、為替相場の動向で大きく変わるものだ。

糠喜びになる公算が大きいが、そういう目先の問題で一喜一憂している場合ではない。合計特殊出生率が韓国は0.81、日本は1.30(2020年)である。日韓では、これだけの差があるのだ。

韓国は、日本より先に「没落」する運命である。

簡単には見つからない解決法

冒頭に取り上げた「二分法」について取り上げたい。 早稲田大学教授の小塩真司氏らが行なった研究論文「二分法的思考が社会的適応に及ぼす影響の研究」から引用させてもらった。

これによると、二分法的思考とは「白黒をつける」「善と悪」と単純化するもので、次のような結論になる。

1. 誇大型特権意識とむすびつく
2. 外在化問題と結びつきやすい。外在化とは、攻撃的・非行的な行動に出る
3. 二分法的思考と攻撃性は、高い相関関係にある

「二分法的思考」によって、韓国社会の特色を100%説明できることに注目していただききたい。韓国は儒教社会であり特に、「韓国朱子学」という独特の流派をつくった。自分は徳を積んだので、絶対的に正しいという認識である。これによって、他人への優越感に浸るのだ。「二分法的思考」の「白黒」や「善悪」は、まさに韓国朱子学そのものであろう。

<韓国社会の特色その1. 誇大型特権意識とむすびつく>

自己が絶対的に正しいという認識は、自分は何をやっても許されるという「誇大型特権意識とむすびつく」のは自然であろう。労働組合幹部が、組合費を私的に流用しても罪悪感がないのだ。労組幹部が、北朝鮮スパイ事件にからみ現金を受け取っても、「南北統一」という逃げ道を用意している。

<韓国社会の特色その2. 外在化問題と結びつきやすい>

さらに、「外在化=攻撃的・非行的」という行動に出る。相手を批判して止まないのだ。日韓問題もその範疇である。道徳的に低い日本を懲らしめるという行動になるのだ。「少女像」を世界中に建てているのはこの表れである。韓国の自殺率が、OECD(経済協力開発機構)でワーストワンであるのは、自己が絶対的に正しいという認識を行動に移したものだろう。

Next: 韓国経済の立て直しは前途多難。二分法的思考が深く根付いている

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