マンションのメンテナンスでの「管理業務」も似たり寄ったり!
では、一棟物のマンションなどで、管理組合からの一部委託や全部委託を請け負っているマンション管理会社の場合は、どうでしょうか。
マンション全体のメンテナンス管理業務には、以下などいろいろあります。
●管理人の常駐や巡回での管理業務
●貯水槽の水質検査や発電機械、ボイラーなどの保守点検
●建物全体の共用部の清掃管理(床・天井・外壁・照明など)
●エントランス、ガラス部、植栽の保守管理(害虫駆除など)
●エレベーターの点検整備と保守管理
●駐車場の点検整備と保守管理
●監視カメラや防災設備の保守点検管理
●ゴミ収集所の清掃・整備管理
●マンション役員会への定期報告や議事録作成
しかし、これらの業務がおざなりのマンション管理会社も多いのです。手抜き作業での管理費のボッタクリです。
悪辣な事例は、枚挙にいとまがないほど、たくさん転がっています。
とりわけ、ワンルームや1Kといった、単身者の小規模住居ばかりのマンションは、物件所有者にとっての賃貸収入が目的の「投資用物件」が多くなっています。こうした住居の区分所有者は、物件に住んでいないケースがほとんどなのです。そのため、各戸の組合員も管理組合業務に対しても、ほとんどが無関心でしょう。
個別の物件の区分所有者は、各々が管理組合を構成するメンバーですが、管理組合理事長や役員といっても、マンション管理会社に管理業務を丸投げしているケースが非常に多くなるのです。
物件所有者自身がマイホームとして居住しているようなファミリーマンションとは、明らかに管理やメンテナンスに対する注目度が異なってくるのです。
ゆえにワンルームや1Kといった単身者用マンションでは、マンション管理会社のやりたい放題が目立ちます。
建築会社とグル?とくに「単身用マンション」は荒れ放題…
日頃の巡回や清掃をロクにやらずに、住民からクレームがあった時だけ、清掃や修理を行い、その分の特別費用としてマンション管理組合に請求して儲けたりするのです。ふだん、何もやっていないから汚損が広がり、住人からクレームが出たにもかかわらずです。
当然ですが、こういうマンションは、荒廃・劣化が目立ちます。資産価値がどんどん落ちていくのです。
悲惨なのは、マンション管理組合の理事長が、マンション管理組合の銀行届け出印まで、マンション管理会社の担当者に預けっぱなしにしているケースです。これでは、横領や着服がやり放題になります。
また、メンテナンス工事や大規模修繕などの費用までを「お任せ」でやらせているケースまであります。ボッタクリのカモネギ状態なのです。
大規模修繕工事は10年から15年に1回ですが、マンション管理会社は、自社とグルの建築会社に施行させるか、キックバックの大きい業者をうまく「アイミツ契約(相見積もりのこと)」を偽装して、マンション管理組合に選ばせます。
マンション管理会社は、財閥系大手、鉄道系大手などの超有名企業系列であっても、うかつに信用してはいけません。国土交通省公表の行政処分の対象になったマンション管理会社の一覧表を見ると、大手の管理会社でも不正のオンパレードだからです。
マンション管理会社の担当者による、マンション管理組合の口座預金からの横領や、偽装工事による不正請求、財産横取りなどの事例が頻発しているのです。