ボッタクリやり放題の「管理契約」が横行している
街の不動産屋が、本来の仲介業務の片手間に、個別物件の賃料収入の5%程度の手数料で管理するケースでは、大抵の場合「名ばかり管理」になります。
入退去の処理や手続きを行うだけで、基本は、何もしないわけです。
たとえば、家賃滞納があっても、現在は「家賃保証会社」が回収や退去手続きまですべて行ってくれるので、管理会社としてはすることはなく、入居者からのクレームがあった時だけ、しぶしぶ対応すればよい――といった具合なのです。
見回りや清掃も行わないので、物件は荒れ放題になります。
清掃業務までを依頼して、「月に2回の清掃」などとすれば、手数料は15%や20%に跳ね上がります。
ゆえに、聡明な物件所有者は、物件の定期清掃を自治体の「シルバー人材センター」の高齢者などと契約することで、対応しています。
とりわけ注意すべき点は、こうした管理会社が、退去があった時に、特段必要のない修繕やリフォームで儲けようとするところです。
修繕を専門業者にやらせて、実費の2~3倍もの請求額にして、物件所有者に請求するのです。
ひどい例では、やってもいない工事をやったことにして、物件所有者に請求したりもします。物件所有者は気をつけないと、実態はこういう管理会社だらけなので、格好の餌食にされます。
物件所有者が、管理業者に「任せっぱなし」にしていると、管理会社は調子にのって、物件所有者を食い物にするわけです。
またサブリースの場合などは、物件所有者がアイミツ(相見積もり)をとって、他業者に修繕工事などを依頼した場合には、管理会社側がサブリース契約を解除する――といった条項を契約書に記載していることが多いでしょう。これならばサブリース契約保持の条件で完璧なボッタクリができます。
こうしたやり口のカモにされるのが嫌いな大家さん(物件所有者)は、自分で対応すべく「自主管理」をモットーにしているものなのです。