ポイントに釣られて多くの国民が作成したが…
それがこの1年余りで申請件数が急拡大し、今や申請率が56.1%と、運転免許証保有率の6割に迫るところまで一気に拡大しました。
しかし、これは国民がマイナカードに理解を示すようになったからではなく、申請すればマイナポイントが2万円分もらえる、という「ニンジン」をぶら下げたことが、デジタル・ポイントに慣れた若者をひきつけました。
実際、ポイント目当てに申請した人がかなりの数に上っています。さらに健康保険証の廃止が提示され、マイナカードがないと保険診療が受けられないとの不安感がマイナ保険証取得に向かわせた面があります。
これには当然反発もあり、無理やり申請させられたという認識と、先の世論調査のように、政府の強権的保険証廃止に強い反発も出ています。
マイナ化を急ぐ政府
それでもマイナ化を急ぐ政府にはどんな狙いがあるのでしょうか。
政府は医療のデジタル化、オンライン診療などが進み、国民にも医療体制が便利になると説明していますが、マイナカードなしでも医療のオンライン化やデジタル化は進められます。マイナカードが不可欠というわけではありません。
むしろ国民の資産情報が把握しやすくなり、税金の徴求面で政府にはメリットがあり、各自治体が掌握するような個人情報を政府が全国ネットで把握できます。中国やロシアのような体制になれば、政府の統制が容易になり、危険な側面もあります。
また日本ではなじまない制度をあえて推し進めようとする背景には、欧米の金融資本による圧力がありそうです。つまり、キャッシュレス化をすすめ、電子取引で各人の金融取引、商取引の内容を掌握することで、金融資本は大きなビジネスチャンスが得られます。政府はそのお先棒を担がされている面があります。
このキャッシュレス化も若い人には進んでも、これになじまない高齢者には引き続きキャッシュ決済が重要です。スマホやネット決済を使えないアナログ人間も少なくありません。
また政府はマイナカードを義務化する方向で動いていますが、寝たきりの人や車いす生活で役所に申請に行けない人、障害者など、マイノリティや弱者への対応がなされていません。
保険証にせよ、現金にせよ、少数者であってもそれに依存する人々を、強制的に排除しようとすれば、それは政府権力の横暴ととられ、反発を呼びます。






