沈みゆく中国
中国の16~24歳の若者の失業率がなんと20%を超えている状況で、これはかなり深刻な問題です。
今の若者が就職もできずスキルを身につけることもなく年齢を重ねていき、本来中国経済を支えるはずだった人たちがむしろ重荷になってしまうという状況が予想されます。
対アメリカというところを考えても、今、中国経済は急速に萎んでいることは間違いないと思われます。
その背景にあるのは経済政策よりも中国共産党であり、我が身が一番大切な習近平国家主席の政策の影響も少なからずあるでしょう。
まずは不動産のバブル的な状況が解消しないとどうしようもないと思いますし、少なくとも経済のことを大事にする政策を行わないと厳しいですが、習近平氏が独裁者である限りそれは望みにくいとも思われます。
株価への影響
足元の株価への影響を考えてみましょう。
今、中国が厳しいと言いながら、幸いアメリカはかなり好調です。
アメリカの今の失業率は低く、経済は潤っている状況です。
コロナでの給付金や様々な社会保障が功を奏して、消費はどんどん前向きに動いているという環境があります。
モノへの消費は抑えられつつありますが、一方でサービスへの消費はかなり意欲的になっています。
インフレについても、中国の経済が再開したら建設投資も再開してインフレが加速すると見られていましたが、むしろ中国の建設投資は萎んでいて、過度なインフレを中国の悪い景気が抑えているという側面もあります。
中国経済の後退が世界経済に与える影響は今のところ少ないと私は考えています。
気をつけるべきなのは中国の特に富裕層や建設投資にかかる内需で、これまで中国を相手にしてきた企業に関してはそれぞれのリスクを考える必要があると思います。
とにかく中国に関してはいま良いことが無い状況で、中・長期的に見ても厳しいです。
中国に投資をする必要は無く、むしろ中国で生産が難しくなってその代替先として特に高性能品などが日本に回帰する動きが起こってもおかしくありません。
そういった部分に着目して日本株への投資を強化したいと私は考えています。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年7月20日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。