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大谷翔平、2度目の満票でのMVP戴冠も“関連株?”大谷工業の株価は下落。大リーグ史上初の快挙で逆に「材料出尽くし」との見方

米大リーグの大谷翔平選手が、レギュラーシーズンで最も活躍した選手に贈られるMVPに選ばれたものの、大谷翔平“関連株”として一部で知られる大谷工業の株価はまさかの下落となり、投資家らを驚かせている。

大リーグのMVPは全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれるが、今回は記者30人全員が大谷選手に1位票を入れる“満票”で受賞が決定。大谷選手が満票でMVP受賞となるのは2021年以来のことで、満票で2度のMVP獲得は長い大リーグ史上での初めての快挙だという。

いっぽうで大谷工業株のほうだが、日本時間の17日午前8時半ごろにMVP受賞の報が流れたのを受けてか、始値は7,400円と最近では高値の水準となったものの、それ以降は右肩下がりといった格好となり、一時は6,510円まで値を下げるシーンも。結局17日の終値は6,610円と、前日の終値から560円安、7.81%の下落となった模様だ。

大谷フィーバーとともに脚光を浴びた大谷工業の一年

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)における世界一の余韻がまだ残るタイミングで始まった、大谷翔平選手の大リーグ6年目となる2023年シーズンだったが、今年も投打の二刀流で八面六臂の活躍を果たすことに。

投手としては8月に今季二けた勝利となる10勝目を早々と挙げ、メジャー史上初となる「2年連続の2桁勝利&2桁本塁打」、さらにこちらも史上初の「同一シーズンでの10勝&40本塁打」を達成。その後、右肘の故障や右脇腹を痛めたことで、シーズン終盤は棒に振ることになったのだが、最終的にシーズンのホームラン数は44本まで重ね、日本人選手としては初となる本塁打王のタイトルも獲得した。

大谷選手にとって2023年は、WBCに続いて今回のレギュラーシーズンでのMVPも獲得するという、まさにダブルMVPの輝かしい一年となったわけだが、そんな大谷フィーバーに列島が沸くなかで、突如注目を集める格好となったのが先述の大谷工業である。

ホテルニューオータニの創業者でもある、戦前戦後期の著名実業家・大谷米太郎氏が設立した大谷重工業にルーツを持ち、現在も主要株主に株式会社ニュー・オータニが名を連ねるという大谷工業。
 
主に電線や通信ケーブルに使用される架線金物や、送電線を支持する鉄塔を製造している鉄鋼製品メーカーということで、一般消費者にはあまり知られていない存在だったわけだが、今年3月にWBCで日本中が大谷フィーバーで沸くなか、それまで久しく4,000円代前半で推移していた株価が、わずか8営業日で4倍程となり、一時は1万3,000円台に届くところまで跳ね上がるという事態となった。

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大谷選手本人と大谷工業との間には、どうやら何の関り合いもないということで、株価高騰の原因は単に名前が同じだからそれにあやかって、あるいはおふざけ半分で買われていたものが、いつの間にかに暴騰の大きなうねりとなった……というのが事の真相のようなのだ。

もっとも、それ以降の大谷工業株の推移はというと、WBC終了後には早々と6,000円台ぐらいまで下降。大谷選手が月間15本塁打と打ちまくった6月の末には、再び1万円を回復するシーンがあったものの、その後は再びじわじわと値を下げ、先述の通り現在はWBC終了後の水準で落ち着いているといった状況だ。

今後“FA去就”などのトピックスを控えるも…

先述の通り今年の終盤は故障の影響もあり、一足早くシーズンオフといった状況だっただけに、今回の満票による2度目のMVP戴冠は、大谷選手絡みでは久々の大きなニューズということで、一部の投資家の間では大谷工業株の再浮上に期待するような動きもあったようなのだが、実際には逆に大きく値を下げる結果に。

今年3月に大暴騰となった際も、すぐさま大きく値を下げるなど、その激しすぎる値動きが敬遠された可能性もあるなかで、いっぽうで投資家の間で囁かれているのは「材料出尽くし」という声。

野球自体が来春までオフシーズンとなるなか、近々大谷選手絡みで起こりそうなトピックスといえば、現在FA中ということで、どの球団とどれほどの巨大契約を結ぶかという関心事はあるものの、あとは「憧れるのをやめましょう」がノミネートされている「新語・流行語大賞」の結果ぐらいということで、確かに出尽くし感が漂うといった状況ではあるところ。

もっとも「材料出尽くし」といえば聞こえはいいが、要はこの3月からの大谷工業株を巡る、本来業務との謂れが全くないところでの乱高下劇に、ひどい言い方ではあるが多くの人が飽きてしまったというのが、正直なところなのかもしれない。

野球好きの投資家らから散々自社株を弄ばれる格好となった大谷工業なのだが、一連の株価の動きに関して、例えばどこかのメディアの取材を受けたりといったものも含め、何らかの反応を示したことは皆無のよう。当然、会社側としては答えにくい話題であることもさることながら、それ以上に「もう静かにしておいて欲しい」といった思いが強そうなのも、想像に難くないところだ。

Next: 「大谷工業をオモチャにするのはやめてっ」

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