シナリオ2:マイナス金利解除を4月と示唆して、今月は現状維持とした場合
このシナリオの可能性もかなり残っていると思われます。
今月マイナス金利解除を会合で議論しても5名の審議委員の同意が得られず、来月以降にさらなるデータを含めて再検討という内容が飛び出すケースです。
この場合、初動は当然、ドル円の買い戻しで「ドル高」方向に動くのでしょうが、4月会合で決定の可能性があるという含みを持たせた場合には、買い戻しのさらなる買い戻し……つまり下落が再稼働することが考えられ、上値では「戻り売り」が有利になります。
ただ、これがどのように市場に伝えられるかが大きな問題になります。
政策発表上は現状維持しか伝えられず、その後の会見で植田総裁がその旨を発言するといった時間差攻撃になると、相場の巻き戻しと再下落の値幅は相当に大きくなりそうで、トレードの仕方としてはかなり難しいものになります。
シナリオ3:単に現状維持となった場合
今回、ここまでリーク報道が出たり現役審議委員が発言してマイナス金利の解除の可能性が高まっているわけですから、この挙句の果てに現状維持と発表するのは、凄まじく市場参加者の利益を侵害するようなやり口になりそう。
4月以降の政策について何のエクスキューズもなく「現状維持」のヘッドラインが走った場合には、148円前後の相場水準なら150円台まで買い戻される可能性がかなり高くなりそうです。
まあ個人的にはこうした結末にするなら余計な事前リークなどするなと怒りたい気分ですが、市場とのコミュニケーションがとりたてて上手くない日銀のことですから、このシナリオも残されている状況です。
ただ、今月何もしないのなら、余分な事前情報で大きく下げてしまった日経平均株価はまさにいい迷惑。ここから慌てて買い戻しが入っても、どこまでリカバリーするのかが気になるところです。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)
「マイナス金利解除」と書くと非常に大きな政策変更に見えますが、ゼロ金利に0.1%だけ利上げとした場合、本来は社会に与える影響などほとんどないはずなのですが、これを拡大解釈してしまった海外勢が織り込み済みトレードをどこまでやってくるのかが、非常に気になる状況です。







