ヤマト運輸「置き配」6月10日スタートで困る人続出か。盗難・破損時の補償金額は？SNSで話題の対策とは

2024年4月10日ニュース

コロナ禍の影響で浸透した「置き配」といえば、Amazon（アマゾン）や楽天などのオンラインショップ、Uber eats（ウーバーイーツ）などの宅配サービスで使ったことのある人も多いのではないだろうか。宅配時に非対面で受け取れるためとても便利な配達システムとして私たちの生活を支えてくれていたが、この度、ヤマト運輸の宅急便でも置き配が2024年6月10日（月）よりスタートすることが発表された。

宅配便の値上げがスタート。ヤマトと佐川での料金変更はいくら？

人材不足などにより「物流の2024年問題」が重要視されている昨今。内閣官房が発表した「物流革新緊急パッケージ」によると対策を何も行わない場合、2024年度には14％、さらに2030年度には34％の輸送力不足の可能性があるとされている。

物流の効率化、荷主・消費者の行動変容、商慣行の見直しが求められる中、2024年4月1日より大手配送会社である佐川急便とヤマト運輸が届出運賃・料金の改定を行った。ヤマト運輸では宅急便の180サイズと200サイズが値上げの対象だが、60から160サイズまでと宅急便コンパクトの料金に変更は無い。

【ヤマト運輸の一例】関東→中国・四国向け（現金決済）
180サイズ：3,870円→4,090円（+220円）
200サイズ：4,530円→5,190円（+660円）

【佐川急便の一例】関東→関西
60サイズ：970円→1,040円（+70円）
80サイズ：1,280円→1,340円（+60円）
100サイズ：1,610円→1,630円（+20円）
140サイズ：2,100円→2,310円（+210円）
160サイズ：2,340円→2,570円（+230円）

クロネコヤマトが「置き配」サービスを6月10日より開始

#ヤマト運輸
より良いサービスのご提供・ご案内を目指すため、アンケートさせてください

当社に限定せず【今まで、置き配を利用されたことがありますか？】２択の内、どちらか選択ください #クロネコヤマト #置き配 #通販

— ヤマト運輸 (@yamato_19191129) April 8, 2024

料金の値上げだけでなく、ヤマト運輸では「物流の2024年問題」に向けて改革が進んでいる。それが今年6月10日（月）から受け取り方法に、「置き配」が追加されるというものだ。宅配便の再配達率は、2023年10月時点で約11.1%となっており、今後2024年度には6%へ削減することを政府は目標として掲げている。

この問題を解決するため、ヤマト運輸では置き配サービスを開始することによって玄関ドア前などの指定場所に非対面で荷物が配達されるため、ドライバーの再配達による工数の削減、顧客の利便性を高めていくというものだ。ただし対象となるのは、個人向け会員サービスである「クロネコメンバーズ」の会員であること、そして「宅急便」と「宅急便コンパクト」の受け取り方法に限られるということ。

実はヤマト運輸では、2020年6月から置き配にも対応したEC事業者向け配送商品「EAZY（イージー）」のサービスをスタートしている。ヤマト運輸が取り扱う年間約23億個の宅配便のうち、「EAZY」の取扱個数は約5億個にのぼるほどのニーズがある。その利用者の幅広いニーズに応えるため「宅急便」と「宅急便コンパクト」の受け取り方法にも新しく置き配を追加するというものだ。

「置き配」で、もしも盗難にあったら？補償金額は？

置き配で指定できる場所は、玄関ドア前、宅配ボックス、ガスメーターボックス、物置、車庫、自転車のカゴ、建物内受付・管理人預けである。そして利用者として気になるのが、万が一置き配で盗難（紛失）や破損してしまった場合はどうなるのかという問題について。ヤマト運輸の公式サイトによると、前提として各個人間取引サイトにおける契約内容によって対応が異なるため、各オンラインショップへの確認が必要とのことだ。

その上でFAQを参考にしてみると、EC事業者向け配送商品である「EAZY」に関しては、補償金額（責任限度額）は15万円まで。また、「宅急便」の補償金額は1個につき30万円（税込）、「宅急便コンパクト」は1個につき3万円（税込）となっている。

あくまでもヤマト運輸は荷物を輸送するサービスであるため、必ず自分自身が利用したサービス（オンラインショップなど）を確認した上で、どのような対応が求められるかを調べる必要があるだろう。そして個人間でのやり取り（実家からの荷物など）は、配達時に割り振られている番号「送り状番号」を控えておくべきといえる。

これらのことを踏まえると、ヤマト運輸が提供しているクロネコメンバーズへの登録を済ませておくことで、より一層スムーズなやり取りへと繋がるのではないだろうか。もちろんそこにはドライバーへの負担を軽減することも含まれ、盗難といったトラブルへの対策にもなるかもしれない。「物流の2024年問題」を解決していくためにも利用者個人の柔軟な対応も求められるといえるだろう。

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