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【参院選】安倍大本営によるアベノミクスの「よかった探し」が始まった=斎藤満

アベノミクス「3本の矢」の本質的な間違い

金融財政政策はあくまで刺激策、カンフル剤で、これを長期間続けても、マッチの無駄すりに終わり、コストがかさむうえに燃えカスがたまる副作用も大きくなります。実際、政府は当初いずれも短期で決着する予定でした。消費税前に大型補正を組み、景気に勢いをつけ、後は消費税で税の補てんを考えていました。

金融政策において、黒田総裁は2年で2%のインフレ目標達成を豪語しました。マッチをいつまでも擦り続けられないとの認識があったのでしょう。

ところが、「成長戦略」という薪には各所に抵抗があり、火が付きにくかったうえに、成長力がついてしまうと需給ギャップの縮小、インフレ引き上げのシナリオが狂う面があり、まじめに取り組みませんでした。

結局、本来カンフル剤でしかない金融政策に頼り続けたために、いつまでも薪に火が付かず、成長力が付かず、財政赤字が積み上がり、金融緩和の長期化で国債価格が異常に高まるなど資産価格にゆがみをもたらし、金融機能不全の状況が生じつつあります。

さすがに政府も金融の限界を感じ、再び財政拡張路線というマッチ擦りに舵を切り始めました。

しかし財政赤字で需要をつけようとしても、その成果で税収が増え、借金を回収できる分はせいぜい2割で、これを続ければ益々借金が増えます。政府債務がすでにGDPの240%を超える中で、さらに財政赤字を拡大すれば、国債の格下げリスクが高まります。

国債は日銀が買うとしても、大企業の社債格付けは国債の格付けが上限なので、社債も格下げされ企業にとってのコスト高となり、収益・株価が圧迫されます。

ブレーキから足を離すだけでは車は走らない

金融緩和はもともと金融コストという「抵抗」の大小を操作して経済調節するもので、経済に前向きの推進力が働いている状況でないと機能しません

ノーベル賞学者が自動車のブレーキ・ペダルから足を完全に離しても、いったん止まってしまった車は走り出せません。今や主要国の経済は総じて推進力を失い、金融緩和が効かなくなっています。

それでもアベノミクスは「期待」に働きかけて資産価格を高め、それが消費や設備投資を刺激する「資産効果」も期待しました。確かに、当初はアベノミクスに期待した外国資本が日本株を買い、その際に為替ヘッジをするために円売りをセットで行ったため、株高円安が同時進行し、2013年はこの期待もあって前向きな力が働きました。

ところが、いつまでも成長戦略の効果が上がらず、しびれを切らした外国資本が、昨年から日本株を失望売りするようになり、円売りの巻き戻しをするようになったので、昨年夏以降、株安円高が始まりました。

Next: 「道半ば」のウソ。破綻への道を突き進むアベノミクス

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