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大阪・西成郵便局の社員、約3000通の配達物を廃棄。下がるばかりの郵便サービスの質に進次郎氏による「郵政国営化」を本気で願う声も急増中

大阪市の西成郵便局に勤務する男性社員が、約3,000通の郵便物などを捨てていたことが判明した。

報道によれば、10代の男性社員は6月中旬から約1か月間にわたり、普通郵便とゆうメール合計2827通の配達を行わず、配達エリア内の7か所に捨てていたということ。6月以降、利用者から「郵便物が届いていない」という申し出が複数あったという。

男性社員は今年4月に採用され、西成郵便局に着任。1日あたり300~500件の配達を受け持っていたとのことで、聞き取りに対して「郵便物を配達しきれなかった」と話しているという。

1日最大500件の配達?SNS上で広がる局員への同情論

22年には大阪府堺市内の郵便局に勤めていた配達員が、約7,000通もの郵便物を雑木林に捨てたとして郵便法違反の疑いで逮捕されるなど、一時期社員による郵便物の廃棄が各地で相次いだ日本郵便。

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近年では、郵便物の数自体は年々減っているものの、時に再配達も余儀なくされるネット通販などによる貨物類やゆうメールの類が増えており、配達員にかかる手間はむしろ大きくなっていると、その当時は取沙汰されていたのだが、それにくわえ最近では、ヤマト運輸がメール便などの配達を日本郵便に全量委託したことで、その負担はさらに増えることに。

しかしながら現役局員のによれば、会社側はそういった配達現場の負担増にまったく対応できていないということで、期間雇用社員を連日募集しているものの、劣悪な労働条件と時給の安さでどんどん辞めていく状況だという。

そんななか、今回郵便物を捨てたというのも10代の男性社員ということで、配達員としての経験もまだ浅そうなのだが、その待遇の割に配達すべき郵便物のあまりの多さに音を上げて、職務放棄してしまったことも考えられるところ。

昨今の郵便配達員らの大変な労働環境に関しては、世間にもかなり知れ渡っているところとあって、今回の件でもこの10代男性社員に対する同情の声がかなり多い状況なのだが、なかでも驚きの声があがっているのが、この社員が1日あたり最大で500件もの配達を受け持っていたという点。

仮に1分で1通の配達ができたとして、8時間労働で480通ということで500通には至らず、ましてやまだ経験も浅い配達員だったということで、SNS上からは「現実的に配れるもんなの?」「無理じゃない?」などと、果たして“ノルマ”として適切なものだったのかが、大いに取沙汰されているようだ。

ネット上で俄かに盛り上がる“郵政国営化”論

いっぽうで日本郵便といえば、今年6月には郵便の利用数の減少や物流コストの上昇を理由として、今年10月からの郵便料金値上げを総務省に届け出。手紙の料金を現在の84円から110円とするなど、その大幅な値上げ額で波紋を呼び起こしたばかり。

こういった料金の値上げにくわえて、今回のような郵便物の不達といったサービスの質の低下を招いているのは、ひとえに小泉純一郎内閣時によって推し進められた“民営化”が、そもそもの元凶であるとの意見はかねてから多いところ。そういった状況を踏まえた形で、ここに来てネット上で俄かに盛り上がっているのが、まさかの“郵政国営化”論だ。

最近では、小泉進次郎氏が自民党総裁選に立候補するかもしれないと噂されていた時期に、あのデーブ・スペクター氏がネタとして発言したのがバズった、この郵政国営化。だが、ここに来て本気で目指すべきでは……といった反応もSNS上などで増えているようなのだ。

もっとも、日本郵政の発足からすでに15年以上も経っており、いまさら逆コースの国営化というのは現実的ではないのが実際のところか。とはいえ、そういった声があがるというのは、昨今の特に郵便事業の体たらくぶりに嘆き呆れる国民が、如何に多いかということの証左といえそうである。

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