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赤字発覚のLINEが「上場ゴール」ではない合理的な理由=栫井駿介

焦って抽選に申し込む必要はない

バリュー株投資家はLINEのIPOに申し込むべきでしょうか。

時価総額6,000億という数字は、現在の売上高や利益では正当化することが難しい水準であり、PERやPBRで計算できるものではありません。

その他の多くのIPOと違うのは、売却株式数が非常に多いことです。規模の小さなIPOでは、株式の供給に対して需要が大きくなりすぎて割高な初値がつくことが多いのですが、LINEではそのようなことには起こりにくく、抽選に当たってもそれだけで儲けるというわけにはいかないでしょう。

足元の業績が赤字ということもあり、上場後も株価が低迷するかもしれませんが、バリュー株投資家にとってはそのような時こそチャンスです。

業績に表れていないものの、スマートフォン業界では圧倒的な地位を築いていますから、長い目で見て価値が高まる可能性は十分にあると思っています。その成長期待に対して安い株価がつくようであれば、買いの好機が訪れるかもしれません。

上場するからと言って、慌ててIPOの抽選に申し込むことはありません。上場後に参加しても十分に間に合う銘柄です。これからの動向を注視しながら、長期的な目線で戦略を評価していきたいと思います。

つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2016年6月16日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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