消費者がサンリオにハマるきっかけと理由
では、消費者は各種SNSや動画コンテンツなどをみてどのような影響があるのでしょうか?
サンリオファンの方のブログなどを拝見すると以下のような声がありました。
「単純にキャラクターがかわいい。近年のサンリオの推し活グッズ(メガネケースやキーホルダー)のラインナップの多さもあり、ファンが増えている気がする」
「なにわ男子やJO1などのアイドルグループとのコラボでサンリオに興味を持った。それぞれのメンバーが考案したキャラクターのぬいぐるみが発売され購入した」
「キャラクターが歌ってみたの動画を見てシナモロールの大ファンになった」
「ピューロランドに行くとガチファンの熱量の高さと層の厚さに驚かされる」
このように、様々なきっかけを持ってサンリオキャラクターのファンになっているようです。アイドルグループのコラボなどは、まさしくIP戦略による間口拡大の典型例だと言えます。
そして、毎年盛り上がるのが「サンリオキャラクター大賞(キャラ大)」です。
キャラ大はAKB総選挙のような仕組みで、上位キャラは今後の活動で優遇されますが、順位が低いキャラは露出が減るシステムです。
各キャラクターは動画配信や各種イベントによってファンに魅力を訴えかけ、ファンも好きなキャラの露出が減らないようweb投票を行うのです。
まさしく「推し活」の成功例でしょう。
ちなみに、今年のキャラ大の優勝はキティちゃんではなく、シナモロールです。
出典:サンリオ ホームページ
これもサンリオの戦略の1つである既存IPの鮮度の低下に対し、各種マーケティング施策を改善した結果だと考えます。
したがって、キティちゃんだけではなく、様々なキャラにファンが存在し、推し活として拍車をかけていることが、ファンの増加につながり近年の売上高の拡大をもたらしていると考えます。
投資するべきか?
ここまでをまとめます。
- 短期的な好調の要因はライセンス事業の拡大。国内外問わず周年記念イベントも関係し、IPに対する需要が拡大している
- 長期的には経営体制の見直しとSNS・コラボ戦略の強化により、様々な接点からファンが増加したと見られる
これらの要因によって近年の好調につながっています。
再度株価を見てみると、現在は1株4,500円、PERは35倍です。

サンリオ<8136> 月足(SBI証券提供)
この水準は、上方修正もあり、サンリオに対する高い期待が織り込まれていると考えます。
リスクとして考えられるのは、今期の好調がキティ50周年によるものであり、来期以降成長が止まる可能性です。
この場合は、業績が下降・株価が下落することも考えられますが、以前よりはこのリスクは抑えられています。
実は以前のサンリオは業績が安定しなかったのです。
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