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日本だけ危機感ゼロ。第三次世界大戦に備える欧米とロシア…2025年1月20日までに最悪の事態を想定すべき理由=高島康司

オレシュニクが搭載する「アヴァンガード」

むろん、「オレシュニク」には核弾頭も搭載可能だ。日本の主要メディアでは、欧米が保有していないマッハ11の極超音速ミサイルで核攻撃する能力をロシアがあることを脅威だとして報道している。

たしかに、これは間違いない。しかし、欧米の兵器の専門家は「オレシュニク」の本当の脅威はこうしたことではないと考えている。多弾頭の「オレシュニク」に搭載された弾頭は、「アヴァンガード」と呼ばれる新兵器なのだ。これは弾頭というよりも、ミサイルと呼んだほうがよいものだ。「オレシュニク」から発射された「アヴァンガード」は、なんとマッハ22の速度で目標に落下する兵器だ。

そして、特徴的なことは、「アヴァンガード」には爆発物が搭載されていないことだ。下は「アヴァンガード」がドニプロの軍事施設を攻撃した際の動画だが、一般のミサイル攻撃のような爆発が見られない。攻撃目標にはフラッシュのように光るだけである。

スティーブン・ブライエンのような兵器専門家は、「アヴァンガード」はマッハ22の速度で落下する衝撃波で目標物、ならびに周辺の施設を破壊する非常に新しいタイプの兵器だとしている。いわばこれは、小惑星が地球に衝突するような原理だという。

また、マッハ22で落下する「アヴァンガード」は、地下の目標も破壊可能だ。大抵、核兵器を搭載した大陸間弾道弾の発射基地は、地上からの攻撃の防御から地下深くに設置されてるが、「アヴァンガード」はこれらの基地も破壊可能である。さらに、「オレシュニク」の射程距離から見て、ヨーロッパにあるすべてのNATO軍の基地を破壊できる能力があるとされている。

欧米の反応、大戦争の準備

このような「オレシュニク」と、それが搭載した「アヴァンガード」に対する欧米の反応はかなり凄まじい。大戦争への準備が始まったかのようだ。

まず、フランスのジャンノエル・バロ外相は23日に公開された英BBCのインタビューで、ロシアによる侵略を受けるウクライナへの支援について、「レッドライン(越えてはならない一線)を引くべきではない」と述べ、フランスがウクライナに供与した長射程兵器のロシア領内への使用を容認する方針を示した。フランス政府が容認を明言するのは初めてだ。

さらに、フランスの有力紙「ルモンド」は、フランスとイギリスが、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナへの軍隊や軍事企業の関係者の派遣について、議論していると報じた。NATO軍のウクライナ派遣があるかもしれない。

それだけではない。NATO諸国が大きな戦争への準備を本格的に開始したようだ。

まずドイツだが、ドイツが攻撃の際に民間人を避難させることのできるバンカーやその他の地下施設のリストを作成していると発表した。また、攻撃があった場合に国民が緊急避難所を見つけるのを助けるアプリをリリースする予定だ。これは、国民が携帯電話アプリを使ってすぐに見つけられるように、バンカーや緊急避難所のデジタルディレクトリが作成される。

さらにオランダのロブ・バウアー提督は24日にブリュッセルで演説し、 NATO加盟国はロシアや中国などの国々からの脅迫を受けにくくするために生産・流通ラインを調整する必要があると警告した。

Next: ロシアも大戦争に備えている。最初の標的になるのは…?

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