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日本だけ危機感ゼロ。第三次世界大戦に備える欧米とロシア…2025年1月20日までに最悪の事態を想定すべき理由=高島康司

ウクライナの状況が緊張しており、第三次世界大戦の危険性さえもささやかれている。しかし、日本ではその深刻さがほとんど報じられていない。欧米で高まる危機感、ロシア・NATOの緊張、そしてバイデン政権の動向についてお伝えする。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)

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※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2024年11月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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日本では危機感が薄い第三次世界大戦の予感

ウクライナ戦争の状況が悪化し、第三次世界大戦の危機がささやかれるようになった。この状況を詳しく紹介したい。

なぜか日本ではほとんど報道されていないので危機感は非常に薄いが、欧米の専門家の間ではトランプが大統領に就任する来年の1月20日までに、バイデン政権は大戦争の引き金を引くのではないかという危機感が強まっている。

筆者は、バイデン政権の外交政策に批判的な専門家や高官のチャンネルを見ているが、想像を越えた緊張が走っている。

それらの人々は、トランプの個人的な法律顧問であった元ニュージャージー州最高裁の判事、アンドリュー・ナポリターノ、元国連の核査察官のスコット・リッター、シカゴ大学教授のジョン・ミヤシャイマー、コロンビア大学教授のジェフリー・サックス、前トランプ政権の国防長官上級顧問のダグラス・マクレガー大佐、CIA分析官のラリー・ジョンソン、国務長官の補佐官だったローレンス・ウィルカーソン大佐などの人々だ。これ以外にも、米軍や情報機関、そして国防総省や国務省の元高官が大変な危機感で現状の危うさを訴えている。

また、ウクライナ軍の元総司令官で現在は駐ウクライナ大使のザルジニー将軍も「第三次世界大戦は2024年に始まったとみなすことができる」と発言している。

このような危機感は、日本では不思議なくらいまったく報道されていない。どうも中国や韓国でも危機感が薄いので、東アジア圏では対岸の火事として見られているようでもある。

バイデン政権の長距離ミサイル使用許可

この危機感の高まりの引き金になったのは、11月19日にバイデン大統領がウクライナに与えた長距離ミサイルの使用許可であった。

これまでバイデン政権は、ロシアを過度に刺激し、戦争を拡大させる恐れから、ロシア国内を攻撃可能な長距離ミサイルの使用許可をウクライナには与えていなかった。それが、ウクライナ戦争の支援に消極的で早期の和平を主張するトランプが大統領選に勝利したことを受け、ウクライナ戦争の継続を狙って長距離ミサイルの使用を許可したのだ。

これを受けてウクライナは、早速射程距離が300キロの長距離ミサイル、「ATACSM」をロシアのブリャンクス州の軍事施設に向けて発射した。また、イギリスも同様に射程距離250キロの巡航ミサイルの使用を許可し、ウクライナはこれを使用した。

さらに、11月26日にはウクライナは「ATACSM」でロシア、クルスク州の航空基地を攻撃した。

ロシアの新兵器ミサイル

このような状況にロシアは強く反応した。プーチン大統領はロシアの核ドクトリンを改め、核兵器使用の基準を緩和した。

しかし、欧米の専門家の第三次世界大戦への危機感を強めているのは、11月21日にロシアが行った新型ミサイルによる攻撃だ。これは、「オレシュニク」という極超音速のミサイルだ。ウクライナ東部の都市、ドニプロにあるドローンとミサイルの製造工場が攻撃された。ちなみに「オレシュニク」は速度はマッハ11で、現行のどの迎撃ミサイルシステムでも打ち落とすことは不可能だとされている。

このミサイルがどのようなものなのか、日本では報道されていない。

しかし、元国防次官補のスティーブン・ブライエン他の兵器専門家による分析から、このミサイルの実態が明らかになってきた。これは想像を越える新型兵器であった。「オレシュニク」はMIRVと呼ばれる多弾頭ミサイルである。

「オレシュニク」にはそれぞれ6発の弾頭を格納した6つのパッケージが搭載されている。それらの36発の弾頭は、それぞれ別な標的を攻撃できる。「オレシュニク」とはこのようなミサイルだ。

Next: 「オレシュニク」には核弾頭も搭載可能。欧米諸国は本気で備えている

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