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昨年のコメに続く“キャベツ騒動”各地で盗難事件が続出する同様の流れに。価格の高止まりは5月ごろまで続くとの悲観的観測も

野菜の価格が高騰するなか、沖縄県名護市では出荷目前のキャベツ約400個、約20万円相当が盗まれる被害が発生したと伝えられている。

報道によれば、被害に遭ったキャベツ畑は普段は人通りが少ない場所だといい、農家の男性によると、15日にはとくに異常はなかったものの、17日に収穫のために訪れたところ、盗まれているのが確認されたという。

また窃盗には、キャベツ収穫用の特殊な包丁を使ったとみられ、商品になる部分を丁寧に切り取るなど、農業やキャベツ栽培に詳しい者が盗んだ可能性が高いという。

小売価格は一時平年のおよそ3.3倍に

昨夏の高温による生育不足、また秋以降の天候不順などが原因で、このところ都市部などの小売店を中心に異様な高値となっている葉野菜。

とくにキャベツの高騰は深刻で、先日農林水産省が発表したところによると、今月6日から8日の「キャベツ」の小売り価格は、1キロあたり534円と、平年のおよそ3.3倍の価格となっているという。

キャベツといえば日頃はいたって庶民的な価格で、トンカツ専門店やラーメン店などではおかわりあるいは大盛りを無料で提供しているところも多いわけだが、昨今の価格高騰で苦境に立たされているようで、とあるラーメン店では、従来まで具のもやしとキャベツの割合が“7:3”だったのを“8:2”にするという、涙ぐましい経営努力でなんとか凌いでいるといったところもあるということ。

いっぽうで家庭への影響としては、カット野菜を展開するサラダクラブも、同社商品であるパッケージサラダ5品目の内容量を一時的に2割前後減らすという、実質上の値上げに踏み切ることに。葉野菜類の価格高騰時においても、比較的一定の価格で販売されている点が人気だったカット野菜だが、ついに耐えきれなくなったという格好のようだ。

このように家庭の食卓から外食産業まで広く影響が出ているキャベツの高騰だが、このところの日本は人心が荒みきっているだけあって、この状況を受けて高値となっているキャベツをターゲットにした窃盗が、今回の件に限らず発生しているといった状況。

昨年12月には、古河市内の畑で収穫直前のキャベツ1200個が根元から刈り取られ盗まれるなど、茨城県内の複数個所で被害が続出。その後、中国籍の兄弟が窃盗の疑いで逮捕・送検されたということで、その後は音沙汰はなかったのだが、今回場所を変えて同様のキャベツ泥棒が発生する事態に。

これらはいずれも、自らやその家族で食べる分が欲しくて、ついつい出来心で……ということで盗む数量を遥かに超えているということで、昨今の価格高騰に目を付け、どこかで売り捌くことを目的とした大量窃盗であることは、ほぼ間違いなさそうである。

高値はいつまで?有識者の間でも分かれる見解

振り返れば、昨年夏から秋にかけてはコメ不足がしきりに叫ばれ、それにより価格が急騰。外食業界ではライス関連のメニューが軒並み値上げされるなどの影響が出たのにくわえ、産地では収穫された新米の盗難事件が続出したことが記憶に新しいが、キャベツに関しても現在まったく同じような経緯を辿っており、さながら米騒動ならぬ“キャベツ騒動”といった事態に陥っているところ。

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そんななかで多くの消費者の間では、キャベツの価格がしばらく高止まりするのではないか……といった危惧も大いに取沙汰されているようだ。

現在のキャベツの高騰がいつまで続くかに関しては、有識者の間でも見解が分かれているようで、楽観的な見通しだと、とある農業ジャーナリスト曰く、2月以降に安定出荷が叶えば、価格の回復が見込めるとの見方が。

基本的に収穫が年一回のコメとは異なり、キャベツといえば生育日数が110~140日ほどで、春キャベツ・夏キャベツ・冬キャベツという風に年間で3回の旬が。また農林水産省が定める「指定野菜」にも指定されているということで、今後供給体制さえ建て直せれば、価格もいつも通りの水準に安定してくるのではというのだ。

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ただ、その反面でとある青果店代表からは、市場に出回っている量がまだまだ少ないがため、今春あるいは5月ごろまでは高値の状態が長引きそうだといったも。

実際コメの場合でも、新米が出回る時期になれば価格が落ち着くなどと、昨年の秋前の段階では言われながらも、年をまたいだ現時点においても価格は高いまま。それだけにキャベツの価格に関しても、同様に高止まりするのでは……といった悲観的な見方をする向きが、消費者の間でも一定数存在するといった状況のようだ。

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