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先月まで安かったのに…俄かに価格高騰中のブロッコリー。“大谷翔平も常食”で出荷量が増加、26年度からは指定野菜入りも価格の乱高下は当分続く?

このところブロッコリーの価格が高騰しており、日々常食しているという筋肉自慢のマッチョたちから悲鳴が上がっていると報じられている。

大阪市内にある飲食店によれば、去年と比べて仕入れ値は1.5倍近くに高くなっているとのこと。というのも、2月までは暖冬の影響でブロッコリーの成長が早く、出荷が前倒しになっていたようだが、その影響でここに来て品不足になっているといい、価格の高騰が起きているとのことだ。

野菜の中ではたんぱく質が比較的多く含まれれていることから、マッチョな方々の間では主食代わりに食べることも少なくないというブロッコリー。しかし、このまま高騰が続けば、食費への影響も無視できないと嘆きの声があがっているようだ。

トマト嫌いの大谷翔平が“常食”していることが話題に

農林水産省が定める国民生活に欠かせない野菜、いわゆる「指定野菜」に2026年度から追加されると発表されたばかりのブロッコリー。

ちなみに現時点での指定野菜は、キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ピーマン、レタス、たまねぎ、ジャガイモ、ほうれんそうの14品目で、ブロッコリーは1974年のジャガイモ以来、約50年ぶりの追加になるのだという。

その生育において天候の影響を受けやすい野菜は、時期によって市場価格が上下してしまうのが常だが、指定野菜はそういった価格変動を抑えて、安定的に供給できるようにと設けられた制度。例えば価格が大幅に下落した際には、大規模な生産者に支払われる補助金が手厚くなるなど、他の野菜にはない優遇制度があるようである。

いっぽうで、その指定野菜になぜブロッコリーが選ばれたのかというと、ここ数十年の出荷量の大幅な伸びも大きかったよう。現に、ブロッコリーの2021年の出荷量は15万5500トンで、11年の11万5300トンから3割以上増加。さらに20年前である2001年の7万5500トンと比べると、実に2倍以上に伸びているというのだ。

そもそもブロッコリーといえばビタミンCやβカロテン、ビタミンEが多く含まれており、抗酸化作用による老化防止や病気の予防に効果的なのにくわえ、便秘の改善に効果的な食物繊維も豊富であるなど、とにかく栄養満点であることから、近年の健康志向の高まりともガッチリとマッチした感も。

また、もともとは鮮度劣化が早い野菜とされていたブロッコリーだが、生産地から小売まで所定の温度に冷蔵や冷凍でもって保ったまま流通させる、いわゆる“コールドチェーン”手法の確立など鮮度保持技術が発達したことで、より新鮮なものが店頭に並ぶようになったことも、出荷量の増大に繋がったとされる。

さらに、そんなブロッコリーの支持拡大に一役買ったとされるのが、最近その身辺が少しばかり騒がしい、米大リーグ・ドジャーズの大谷翔平選手。

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というのも、2016年12月に配信された産経新聞の記事には、当時日本ハムファイターズに所属していた大谷選手が、U-23ワールドカップの合宿に参加した際に、ビタミンCを効率よく取れるトマトが苦手で全く口にしない代わりに、同じように効率良くビタミンCを取れるブロッコリーを多く摂取している……といった記述が。

大谷選手の活躍に胸躍らせる子どもらのなかには、恐らくトマト嫌いも一定数存在すると想定されるなか、当の大谷選手がトマトの代わりにブロッコリーを常食していることが、そんな子どもらやその保護者らの間で周知されたことで、各家庭でブロッコリーが食卓に並ぶ機会が格段に増えていった……といった流れも大いに考えられるというのだ。

2年前には逆にブロッコリー価格の大暴落が発生

このように、その栄養価の高さから広く消費者から支持を集め、果ては指定野菜入りまでも成し遂げたというブロッコリーだが、今回の件のように価格の乱高下が近年は著しいというのは確かなところ。

先述した通り、現在のブロッコリーの高騰は、暖冬によって成長が想定以上に早かったため、出荷を前倒ししたことの反動がいま来ているといったものだが、その前倒ししていたタイミングだった1月や2月は、そもそも旬であるということもあって、やはりかなり安かったという声がチラホラ。

さらに遡って2022年の、こちらも3月あたりには、ブロッコリー価格の大暴落がSNS上でもかなり取沙汰され、農家の方々は投げ売りどころか「捨てるぐらいなら」と無料で配っていたケースもあったようなのだ。

こういった生産者の方々も大弱りといった価格変動の不安定ぶりを、少しでも抑えるための指定野菜の制度であるわけだが、先述の通りブロッコリーが追加されるのが2026年度からと、まだ2年ほど先のこと。

また実際に指定野菜入りしたとしても、すぐさまブロッコリーの大規模生産に参画する農家が増えるといった状況も考えにくく、安定供給が早々と実現するといったことも当然あり得なさそう。それだけに今回取り上げられたマッチョな人々をはじめとした常食者の方々が、その価格の乱高下ぶりに一喜一憂する日々は、当分の間続きそうな情勢である。

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