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減税も給付金も“財源不明”で進んだ議論…国民を愚弄するバラマキ政治のツケは誰が払うのか?=斎藤満

財務省としては、仮に消費税を半分に引き下げて失う税収と、トランプ関税(場合によっては対応不十分として24%の相互関税を引き上げられるリスクもあり)によって負担させられるコストとの比較考量となります。

もし消費税に手を付けずに、より高い税率を課せられ、そのための対応に国内で財政面から対応する際のコストがより大きいと見れば、消費税引き下げも選択肢の1つになります。

放漫財政に歯止めを

残念ながら、ここまでの提案は減税にしても給付金にしても、その財源手当てについては何ら触れられていません。

消費税の減税にしても、これを実施すれば税収が減ります。給付金の支出をするにもその財源が必要です。財政に余裕があれば良いのですが、日本の財政赤字、政府債務のGDP比は世界でも最も深刻な状況にあり、決して余裕があるわけではありません。

むしろ、これまでは大量の国債を発行していながら、利払い費はこのところずっと年間7兆円前後で済みました。これは日銀による超低金利の長期化と、日銀による大量の国債買い入れによって、長期金利の低い状況が何年も続いたためです。

しかし、日銀は昨年から政策金利を引き上げ始め、国債の買い入れも徐々にではありますが減額方向にあります。日銀による金利押し下げ支援は期待できなくなりました。

このため、一時はマイナス域にまで低下した10年国債利回りも、3月には1.5%を大きく超えてきました。たまたまトランプ関税への不安で国債が買い上げられ、長期金利は一時急落しましたが、また反転上昇しています。

政府も利払い費の前提となる長期金利の水準を1.9%から2.0%に引き上げました。今後高い金利の国債が漸次発行されてゆく中で、国債の利払い費は最終的に年20兆円規模に膨らむことになります。

この負担を大きくしないためにも、国債の発行を抑制し、国債残高のGDP比を今の200%から徐々に下げてゆく必要があります。

そのためには、給付金を支給する場合、その財源を何に求めるのか同時に提示する必要があります。まさか国民に所得税増税でといえば却下されます。従って、法人税を引き上げるのか、歳出の中で政府職員の給与、政策活動費を減らして充てるのか、雇用調整助成金など各種補助金、助成金の見直し、減額で充てるのか、財源提示が必要で、そのセットで議論するのが筋です。

今の与野党議論は、暗黙の裡に国債の増発でと考えています。これは現役世代の利益のために、子供や孫の世代に負担を付け回すことになり、子育てや少子化対策の議論と矛盾します。

放漫財政で国の信認が落ちれば国債価格が急落します。国民民主党の言う「手取りを増やす」ことは容易ではないのです。

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