fbpx

米国「トリプル安」で日本株に追い風?米経済の構造的問題と日本企業に訪れるチャンスとは=栫井駿介

なぜ日本株は下がらない?米国経済混乱の裏で恩恵を受ける日本の可能性

米国株が大幅に下落する一方で、日本の日経平均株価はそれほど下落していません。これは、トランプ政権の関税政策によって、日本企業が恩恵を受ける可能性があるからです。

特に、これまで中国から多く輸入されていた電子機械などの製品において、中国製品に高い関税が課せられることで、相対的に日本製品の競争力が高まる可能性があります。自動車産業は依然として厳しい状況にありますが、電子部品などの分野では、日本からの輸出が増加するかもしれません。

例えば、コンデンサなどの電子部品を製造する村田製作所や太陽誘電などがその恩恵を受ける可能性があります。人件費の低下も、日本企業の国際競争力を高める要因となるかもしれません。

<世界経済への波及は避けられない? 各国のGDP予測と日本の立ち位置>

世界経済全体で見ると、トランプ政権の関税政策による悪影響は避けられないでしょう。

アジア経済研究所の予測では、世界全体のGDPも-1.3%のマイナス成長が見込まれています。米国が自ら苦しむ中で、カナダやメキシコといった近隣諸国は、中国からの輸入代替として恩恵を受ける可能性があります。また、インドなども新たな生産拠点として注目されています。

一方、タイやベトナムなど、輸出依存度の高い国はGDPが減少する可能性があります。

このような状況下で、日本は中国とも良好な経済関係を維持しつつ、中立的な立場を保つことで、国際的な評価を高める可能性があります。今回の日本株の底堅さも、そうした期待の表れかもしれません。

今後の見通し:日本企業のチャンスと投資戦略

トランプ政権の関税政策が今後どうなるかは分かりませんが、中国からの調達が難しくなった製品を日本企業が代替することで、業績を伸ばす企業が出てくる可能性があります。

しかし、短期的には世界経済の減速によって日本企業の業績も厳しくなることもあるでしょう。

もし株価が下落するような局面があれば、それは将来性のある優秀な企業に投資するチャンスと捉えることもできます。長期投資家としては、目先の株価変動に惑わされず、価値ある企業に虎視眈々と狙いを定めたい局面と言えるでしょう。


つばめ投資顧問は、本格的に長期投資に取り組みたいあなたに役立つ情報を発信しています。まずは無料メールマガジンにご登録ください。またYouTubeでも企業分析ほか有益な情報を配信中です。ご興味をお持ちの方はぜひチャンネル登録して動画をご視聴ください。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。

【関連】「INPEXは買い」は本当か?なぜ割安?長期投資家が注視すべき4つのリスク=栫井駿介

image by: Phil Mistry / Shutterstock.com
1 2 3

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年4月24日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー