中国不動産投資ブーム
今でこそ、中国不動産は価格が高騰しすぎでバブルで崩壊寸前だなどと言われておりますが、2002年頃からの不動産価格は上昇の一途をたどっておりました。
2010年以前から海外不動産投資を行っている日本人の不動産投資家は、中国の不動産を購入しているケースが多いです。「3,000万円程度で中国の不動産を購入し、1億円以上で売れた」などという話を投資家からたくさん聞きます。2倍どころじゃないですね。
1998年にそれまでの住宅の現物支給を終了させたことにより、住宅価格が市場メカニズムによって決定されるようになりました。
ブームの原因
住宅価格の高騰が一気に加速したのは、2003年以降です。人口ボーナス期を迎えて経済成長が著しかったことはもちろんですが、2005年に中国の通貨である人民元が、固定相場制から管理変動相場制へと移行したこともあり、為替メリットの面も大きかったです。
このタイミングで利益を得た投資家の存在が、後の東南アジア投資ブームを生み出す原因のひとつとなりました。
マレーシア不動産投資ブーム
2010年頃になると、日本ではマレーシア不動産投資セミナーが活発に行われ、多くの人が集まるようになってきました。1回のセミナーに200人近く集まった、などということもあったようです。
今、日本で10年前くらいから海外不動産の販売を行っている業者は、この時期にどこもこぞってマレーシアの不動産を販売しておりました。フォーランドリアルティや、ステイジアキャピタル、グローバルプロパティなどが有名です。
ブームの原因
マレーシア不動産投資のブームが起きた背景には、いくつかの原因があります。
- 2008年のリーマンショックにより先進国の不動産に対する不安感が生まれた
- インターネットの普及により、海外不動産投資の情報が以前よりも伝わりやすくなった
- ジョホールバルの壮大な開発計画が魅力的だった
- 価格が1,000万円前後と手頃で、現地の銀行でローンを組むこともできた
また、日本と距離が近い中国不動産の価格上昇により、大きな利益を得た投資家が日本国内にいたこともマレーシア不動産投資ブームの後押しとなったと考えられます。
ブームのその後
マレーシア不動産には世界中から投資マネーが集まり、クアラルンプールの不動産価格は数年間で倍以上に高騰した例がいくつもあります。
マレーシア政府は不動産価格が高騰しすぎて国民が購入できる金額でなくなっていることを懸念し、2014年に外国人に対する投資規制を実施いたしました。これにより、100万リンギット(約3,000万円)以上の不動産でないと、外国人は購入できなくなりました(一部例外のエリアもあります)。また、この規制に合わせて、現地の銀行の外国人に対するローンも急に通らなくなったと聞いております。
この規制により、日本でのマレーシア不動産投資ブームは終了いたしました。