Q10:その企業の株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか
上場前ということで、公開価格ベースで計算するとPER20.8倍ですね。
・EPS 94.2円/株
・株価 1960円/株
1960/94.2=20.8倍
サンマルクホールディングスの株価が15.37倍であることを考えると、少し割高でしょう。同じレベルまで下がってきて初めて対等といえそうですね。
Q11:株式の利回りと利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
ここでは、
・配当はなし
・過去10年のPERはサンマルクホールディングスと同水準
・ROEも同水準
・BPS(一株当たり純資産)は売り出し価格の1960円と仮定(これは微妙ですが)
という仮定の下計算してみます。
以下は計算です。
【1.予想成長率を求める】
まずは株主資本の予想成長率を求めましょう。
(必要な値)
・10年平均ROE:9.1%
・配当性向:0%
(式)
・株主資本の予想成長率=10年平均ROE(1-配当性向)
(答え)
株主資本の予想成長率:9.1%
【2.予想BPSを求める】
さらに、今求めた、株主資本の予想成長率を使って、10年後の予想BPSも求めます。
(必要な値)
・直近のBPS:1,960.00
・株主資本の予想成長率:9.1%
(式)
・10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
(答え)
10年後の予想BPS:63996.6円 ¥4,698.5
【3.予想EPSを求める】
この10年後の予想BPSに、平均ROEをかけます。すると、10年後の予想EPSが得られます。
(必要な値)
・10年後の予想BPS:¥4,698.5
・10年平均ROE:9.1%
(式)
・10年後の予想EPS=10年後の予想BPS×10年平均ROE
(答え)
10年後の予想EPS:¥429.29
【4.10年後予想株価を求める】
さて、予想EPSを求めたら、これに10年平均PERを掛ければ、10年後の株価を求めることができます。
(必要な値)
10年平均PER:26.8
10年後の予想EPS:¥429.29
(式)
10年後予想株価=10年平均PER×10年後予想EPS
(答え)
10年後予想株価:¥11,495.43
【5.年間期待収益率を求める】
10年後の予想株価を使って、年間にどれくらいのリターンが期待できるのかを計算します。
(必要な値)
・10年後の予想株価:¥11,495.43
・現在の株価:¥1,960
(式)
・年間期待収益率=((10年後の予想株価/現在の株価)^1/10)-1
(答え)
年間期待収益率:19.4%
【結果】
そこそこの収益となります。というのも、1株当たり純資産がサンマルクホールディングスに比べ、高いからです。
1株を1960円で売り出すということは、基本的には、1960円の資産が増えることになり、BPSは1,960円といってもいいのですが、当然そこには手数料などがかかってきます。
BPSが大きいと、ROEに掛ける額が大きくなりますので、当然、その年の収益増加が期待できます。
この計算方法は、その収益をもとに、将来の株価を計算していますので、BPSは大きい方が稼げる計算になるのです。
あとは、ここでは仮に配当性向を0として計算していますのでその点を考慮に入れる必要があります。
ROEがサンマルクホールディングスと同程度であれば期待できそうですね。