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コメダ珈琲いよいよ上場。サンマルクカフェとの比較で見えた強みと課題=八木翼

Q12:株式を疑似債券と考え、期待収益率を計算せよ

こちらも同様に、

・配当はなし。
・過去10年のPERはサンマルクホールディングスと同水準。
・EPS成長率も同水準。
・BPS(一株当たり純資産)は売り出し価格の1960円と仮定(これは微妙ですが)

と仮定します。

【1.10年後BPSを求める】

まず10年後のBPSを求めます。過去10年の平均EPS成長率に1を足して10乗したものに、現在BPSをかけます。これが10年後のBPSとなりますね。

(必要な値)
・年平均EPS成長率:7.3%
・現在BPS:1960.00

(式)
10年後BPS=年平均EPS成長率^10×現在BPS

(答え)
*10年後BPS(円/株):3951.2

【2.10年後EPSを求める】

今求めた10年後BPSに過去10年平均ROEをかけます。これが10年後のEPSです。
(必要な値)
・過去10年平均ROE:9%
・10年後BPS(円/株):3951.2

(式)
10年後EPS=10年後BPS×過去10年平均ROE

(答え)
*10年後EPS(円/株):361.0

【3.10年後予想株価を求める】

さらに、過去10年の平均PERをかけることで、10年後の予想株価が算出されます。

(必要な値)
・過去10年平均PER(倍):26.8
・10年後EPS(円/株):361.0

(式)
10年後予想株価=過去10年平均PER(株価/EPS)×10年後EPS(円/株)

(答え)
*10年後予想株価:9,667.0

【4.年間期待収益率】

この予想株価を現在株価で割り、0.1乗し、マイナス1したものが、年間期待収益率となります。

(必要な値)
・10年後予想株価(円/株):9,667.0

(式)
・年間期待収益率=((10年後の予想株価/現在の株価)^1/10)-1

(答え)
*期待収益率(%/年):17.3%

【結果】

こちらはEPS成長率の値を用いた場合ですね。サンマルクホールディングスを超えているのは、先ほどと同様の点が指摘されますが、悪い値ではありません。

結論

当たり前ですが、バフェットの手法で分析する場合は、10年間分のデータがなければいけません。

しかし、似たような業界で、似たような業種の企業であれば、そのROEやEPS成長率の値を使い、業績の伸びをある程度予測することが可能です。

個人的には、サンマルクホールディングスの株をすでに保有していますので、コメダホールディングスの株を追加購入する気はありませんが、カフェ業界は、高収益体質になりやすい企業が多いです。

その根本的な原因は、顧客に商品ではなく、体験を売っているからだと考えられます。カフェというのは、雰囲気を重んじています。商品だけが欲しい人というのは、コンビニに流れています。

体験をフランチャイズ化すれば、当然高収益になりやすいのです。今回のコメダ珈琲にしても、同じことがいえるでしょう。

計算結果も大事ですが、「企業が何を売っているのか?」という問いを深堀することが最も大事な作業です。今回の数字は、非常におおざっぱなものですので、あくまで参考程度にしておいてください。

継続は力なり!ダメでもともと(笑)八木翼でした。

【関連】ジョブズ亡き後のアップル株をバフェットが“爆買い”した12の理由=八木翼

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年6月25日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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