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パクリ国家の限界。中国の誇る「技術力」が日本の足元にも及ばないワケ=黄文雄

中国の主張する「世界一」が日本の脅威にならない理由

民主主義国では市民やマスコミによる「無駄な予算」に対する監視が強くなるのが通常です。先日、舛添都知事が公費の公私混同を追及されて辞任しましたが、中国の役人のように何億も着服したわけではありませんし、まだ違法性も確認されていません。しかし政治家としての倫理道徳が問われ、舛添氏が「タダ働きする」と言っても許してもらえず、結局辞任するしかありませんでした。ちなみに、この舛添都知事の問題は海外でも注目度が高く、「SEKOI」が「KAMIKAZE」「SUSHI」などと並んで、よく知られる日本語となりました。

それはともかく、このように、民主主義国では政策に対するコスト意識がどうしても高くなります。そのため、省エネ性能を伸ばす方向での研究開発が進むわけです。

一方で中国は共産党独裁ですから、為政者がカネを出すと決めれば、それが絶対になります。習近平のバラマキ外交には国内のネットでも批判が出ていますが、それでも国民がトップを交代させるシステムがないので、やりたい放題ができるのです。

つい最近も、腐敗官僚を追放して村長を直接選挙で選んだ広東省の烏坎村では、土地返還をめぐって上級政府に陳情しようとした直前に、住民側リーダーである村長が逆に収賄容疑で拘束されてしまいました。中国では住民が腐敗を摘発しようとしても、かえって逮捕されてしまうのがオチなのです。

とはいえ、ワイロ文化の中国では、多額の開発費や予算をつけても途中でそれが中抜きされ、末端へ行くとほとんど残っていないということがほとんどです。ですから、ビル建設などでも手抜き工事が横行し、鉄筋の代わりにゴミを混ぜるといったことが起こるわけです。

中国が日本の技術をパクって「自国技術」と胸を張る高速鉄道にしても、故障が頻発しているようです。中国での鉄道故障は2015年だけで1,500件、事故は210件にのぼっています。最も事故と故障が多いのが高速鉄道向けの車両で、製品の品質とメンテナンスのレベルが水準を下回っていることに原因があると指摘されています。
中国:鉄道故障が15年に1500件、中国中車の低品質原因か

自動車にしても、中国で圧倒的な信頼性を得ているのは日系車で、100台あたりの問題発生率が少ない自動車のトップ3は三菱、マツダ、レクサス。合弁メーカーでも東風ホンダ、次いで一汽トヨタ、そして広汽トヨタと日系が独占しています。一方、2010年の数字ですが、中国製の新車の故障率は6割近いという報告があります。

日本は江戸時代から高度なリサイクル社会でした。資源に乏しいこともあり、長持ちする優れた製品づくりをしてきたのでしょう。一方、中国人はその土地の資源を食い尽くせば、他の土地へ移動して資源を奪うということを繰り返してきました。中華思想の中国人にはエコや環境保全という概念はほとんどありません。

ですから「中国が独自開発のスパコンで速度世界一となった」といったところで、それほど脅威視する必要はないのです。

【関連】ついに現役復帰。ジョージ・ソロス氏が確信する中国経済崩壊のシナリオ=東条雅彦

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』(2016年6月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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