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戦争で株価はどう動く?日経平均急落の背景と地政学リスク相場の鉄則=かえるさん

戦争で株価が暴落した際、個人投資家はどうすべきか?

ここからは荒れるマーケットで、個人投資家がどう立ち回るべきか、3つのアドバイスをしたいと思います。

<(1)SNSを見すぎない>

これは本当に大事なことなので、何度でも言います。

暴落時のSNSは、冷静な判断を狂わせる最大の敵です。僕がトレーダーだった頃、ディーリングルームにSNSはありませんでした(時代的にも)。あったのは、ブルームバーグのニュースとロイターと、トレーディングフロアーの雰囲気だけです。それでも情報過多で判断が鈍ることがありました。

今のSNS環境は、それとは比較にならないほど「ノイズ」が多い。「〇〇万円損した」「もう終わり」「今すぐ売れ」といった感情的な投稿が次々と目に入ってきます。

人間はネガティブな情報に引っ張られやすい生き物です。パニック状態の他人の投稿を読んで、自分もパニックになる。このような感情の伝播において、SNSは伝染力が尋常ではありません。

暴落時のSNSを見ていいのは、「見てもスルー出来る鉄のメンタルをもつ人」だけです。不安になるなら、閉じてください。

<(2)短期トレードのポジションは持ち越さない>

短期トレードのポジションは、その日のうちに必ずフラットにしてください。これは元トレーダーとしての、実体験に基づくアドバイスです。

プロのトレーダーの世界には「オーバーナイトリスク」という概念があります。要は、取引時間が終わった後に起きる出来事は、コントロールできないということです。

今回のイラン攻撃も、日本時間の金曜日午後に発生しました。もしその時点でポジションを持ったまま週末を迎えていたら、月曜日の1,500円安をモロに食らっていたことになります。

僕がいた頃のクレディ・スイスのトレーディングデスクでも、基本的にデイトレードのポジションはその日のうちにフラット(デルタニュートラル)にするのが基本でした。これはプロだからできるのではなく、プロだからこそ「翌日何が起きるかわからない」ということを痛いほど知っているからやっていたのです。

初心者の方がデイトレードをするなら、この鉄則は絶対に守ってください。「もう少し上がるかも」「明日には戻るだろう」という期待でポジションを翌日に持ち越すのは、地政学リスクが高まっている今の環境では、本当に危険です。

<(3)長期投資なら無理に動かないのも正解>

一方で、長期投資なら「何もしない」という選択肢を持って欲しいです。NISAやiDeCoで毎月コツコツ積み立てている方は、基本的には何もする必要はありません。

過去のデータを見れば、有事による株価下落は中長期では回復しています。1973年のオイルショックのように構造的なエネルギー供給ショックが起きた場合は回復に時間がかかりましたが、今回はそこまでの事態になるかどうかが焦点です。

注視すべきは「ホルムズ海峡の封鎖が長期化するかどうか」と「原油が100ドルを超えて定着するかどうか」。この2つが現実化しなければ、歴史的には回復軌道に乗る可能性が高いと言えます。

某証券のレポートでは、紛争が短期収束した場合は年末61,500円〜7万円が視野に入るとのシナリオも出ています。もちろん、これは「短期収束した場合」の話であり、長期化すれば話は別です。

大事なのは、暴落のニュースを見て慌てて積立を止めたり、含み損のポジションを投げ売りしたりしないこと。過去の事例が教えてくれているのは、パニック売りをした人が最も損をするということです。

まとめ:荒れている時ほど冷静さが重要に

今回のイラン攻撃後の株式市場の動きを改めてまとめます。

  • 日経平均は攻撃後3営業日で約4,600円下落したが、5日目には1,032円高、6日目にも342円高とまだまだボラティリティが高く、安定していない
  • 今回の下落背景には原油高、ホルムズ海峡リスク、高値圏からのポジション整理、AI半導体への不安の複合要因がある
  • 過去の米国による軍事行動時のパターンでは、短期的な急落の後に反発するケースが多い。反転のきっかけは「不確実性の解消」「原油価格のピークアウト」「停戦シグナル」
  • ただし、1973年のオイルショックのように原油供給が構造的に途絶えた場合は長期低迷もあり得る

こうした局面での初心者の方へのアドバイスとしては、以下の3点が挙げられます。

  • SNSを見すぎないこと
  • 短期トレードのポジションはその日のうちに必ずフラットにすること
  • 長期積立は慌てて止めないこと

相場は必ず荒れる時期があります。大事なのは、荒れている時に冷静でいられる心の準備をしておくことです。

image by:M-Production / Shutterstock.com
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本記事は日本投資機構が運営する金融メディア『INVEST LEADERS』からの提供記事です。
※タイトル・リード・見出しはMONEY VOICE編集部による

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