■要約
ADワークスグループ<2982>は、事業法人や個人富裕層向けに投資用オフィス・一棟賃貸マンションなどの不動産物件をバリューアップ後に販売する収益不動産販売事業と、保有不動産売却までの期間に得られる賃貸収入や販売後のプロパティ・マネジメント(以下、PM)収入などで構成されるストック型フィービジネスを両輪に事業展開している。
1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比35.3%増の67,531百万円、税金等調整前当期純利益(以下、税引前利益)が同103.7%増の5,190百万円と大幅な増収増益となり、過去最高業績を連続更新した。市況高騰を背景に不動産投資が活況を呈するなか、国内一棟再販事業が同17.9%増の35,745百万円、不動産小口化事業が同79.6%増の22,931百万円と大きく伸長し、業績をけん引した。また、仕入活動も積極的に推進したことで、期末の収益不動産残高も前期末比20.1%増の54,586百万円と過去最高水準に積み上がった。一方、収益基盤を強化すべく低採算だった建築工事会社の(株)スミカワADDや外部オーナー向けPM事業を売却したほか、米国の子会社1社を解散するなど事業ポートフォリオの見直しも実施した。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高が前期比14.0%増の77,000百万円、税引前利益が同13.3%減の4,500百万円と増収減益を見込む。2026年度税制改正の影響により不動産小口化事業の売上高が50億円まで落ち込む一方で、前第4四半期から新規参入したオフィス区分事業で100億円の売上を計画、さらに一棟再販事業の売上が500億円まで拡大することで売上高は2ケタ増ペースが続く見通しだ。利益面では、2027年以降の飛躍的成長に向けた戦略投資を加速させるほか、積極的な人材投資により販管費が同13.3億円増加することが減益要因となる。ただ、不動産小口化商品については需要が回復する動きも直近では見え始めており、今後の需要動向を見極めて回復時期が前倒しになりそうな場合には、2026年夏頃を目途に当初計画の見直しを検討する予定だ。不動産投資の需要が今後も堅調に推移するようであれば、会社計画の達成は可能な水準と弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は成長戦略として、不動産小口化事業の方針見直し、オフィス区分事業の成長加速、一棟再販事業の成長継続に取り組むほか、ノンアセット事業を育成することで資本効率の向上並びに収益基盤の拡大を図る方針だ。ノンアセット事業としては、不動産クラウドファンディング事業、私募ファンド事業、ホテル運営事業などの開始準備に着手しており、2027年12月期以降の収益成長に寄与するものと期待される。
4. 株主還元方針
同社は株主還元方針として、連結配当性向で50%を超えない限りにおいて配当利回り(1株当たり年間配当金÷1月~12月の月末株価の平均)が4%以上となるよう配当額を決定することにしている。同方針に基づき2025年12月期の1株当たり配当金は前期比6.0円増配の16.0円(配当性向23.4%、配当利回り4.5%)であった。2026年12月期は同4.0円増配の20.0円を予定する。配当性向は31.7%となり、年間の平均株価が500円を超えて推移すればさらなる増配が期待できる。
■Key Points
・2025年12月期は収益不動産販売事業がけん引し、大幅な増収増益を達成
・2026年12月期は戦略投資で減益を見込むも、2ケタ増収ペースが続く計画
・事業ポートフォリオの拡張とノンアセットビジネスの育成により高成長を目指す
・配当性向50%を上限に配当利回り4%以上となる配当を実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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