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真面目な日本人ほど「子どもを貧困に追い込む」ダメ親になりやすい=山田健彦

日本人の「見えない習慣」

我々日本人には、江戸時代の「士農工商」の教えがベースとして存在しているのでしょうか。「お金を持つと人生を踏み外す」と言われたり、いわゆる清貧の思想などが持て囃されるなどしたせいで、先祖代々、お金のことを子どもに語るのはタブー視されてきた面があります。

しかし、子どもがお金についてのごく基本的な知識を持ち合わせないまま社会人になると、お金で人生に失敗する可能性が高くなります。

失敗を許さない国、日本

かなり以前になりますが、米国の友人と、夏の日本の海岸を歩いていたときのことです。

波打ち際で、小学校低学年と思われる男の子が砂でお城を作っていました。自分の小さい頃を思い出して、しばらく遠くからその様子を見ていました。

波打ち際なのでお城は作っても作っても、寄せる波で崩れていきます。傍にはママが居たのですが、作ったお城が波で崩れていくので、段々アドバイス(?)を始めました。

「その部分をもっと厚くして、波にもっていかれないようにしなきゃ駄目じゃない!」
「ああ、早くしないと次の波が来るわよ!」
「そこはもう駄目だから、もう少し波打ち際から離れたところで作りなさい!」

などなど。

男の子は次第に、次の動作に移るときにママの方を向いて「これで良い?」と確認するような顔つきになりました。

それを見ていた米国の友人は「お前たち日本人は、子どもに失敗させる自由も与えていないのか?失敗からしか人は学ばないのに……」と言っていました。

子どものマネーリテラシーを養う「お小遣いゲーム」

同じようなことは、筆者が小学生低学年向けの「お小遣いゲーム」のお手伝いを務めていたときにも経験しました。

「お小遣いゲーム」とは、参加している子どもが何かお手伝いをすると、それに応じたお金(紙に書かれたおもちゃの紙幣)がもらえる遊びです。貯めたお金でお菓子を買ったり、貯金をしたりします。

ゲームの目的は、「お小遣い帳」の習慣を身に付けることです。小学校の体育館などを借りて行い、主催者側の何人かが、「肩をたたいて欲しい人」「靴を磨いて欲しい人」などなどの役割で椅子に座っていて、その人の肩たたきを30秒すると例えば100円が子どもに渡されます。

子どもはいったん自分の席に戻り、お小遣いとして100円をもらった、と手帳に記入します。そしてその後、その100円をお菓子と交換するか、あるいは別のところで靴磨きをしてさらにお金を貯めるか、といった選択をしながらゲームを進めます。

子どもが何か行動を起こして、いったん席に戻り、お小遣い帳を付ける――ですが、そのときのママたちのアドバイスが、いろんな意味ですごいのです!

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