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「トランプ列車」の大脱線、またはポピュリズムへの歯止め(前編)=佐藤健志

7月21日に行った共和党大会での候補指名受諾演説では、聴衆に向けて「私は君たちの声そのものだ!」と断言したほど。
ずばり、自分こそが民意だと見得を切ったのです。
https://www.youtube.com/watch?v=4CVTuOyZDI0(全編収録)

けれどもその直後から、トランプは「列車でいえば大脱線」とまで評される状態に陥りました。
http://thehill.com/blogs/pundits-blog/presidential-campaign/290154-the-trump-train-flies-off-the-rails

引き金となったのは、7月28日、パキスタン系移民であり、イスラム教徒でもあるキズル・カーンという人物が、民主党大会でトランプを批判する演説を行ったこと。

彼の息子フマユーンさんはアメリカ陸軍の大尉だったのですが、2004年、派遣先のイラクで、自動車を使った自爆テロにより亡くなりました。
しかるにトランプは、何かにつけてイスラム教徒を「アメリカの敵」のごとく見なしたがる。

キズルさんはこれを踏まえ、トランプを偽善的な差別主義者と断じたのです。
いわく。

トランプ、ひとつ聞かせてくれ。あんたは合衆国憲法を読んだことすらないんじゃないか? 持っていないなら、喜んで貸してやろう!
(背広の内ポケットから、憲法の小冊子を取り出して掲げる。聴衆の大喝采)
「自由」と「法の下の平等な保護」について、なんと書いてあるか調べてみることだ。

あんたはアーリントン国立墓地に行ったことがあるか? どの墓標にも、アメリカを守るべく命を捧げた勇敢な愛国者の名が刻まれている。そこに信仰、性別、人種の違いは存在しない。ひきかえあんたは、国のために犠牲を払ったことなどないし、まして家族を失ったこともない!
http://edition.cnn.com/videos/politics/2016/07/29/dnc-convention-khizr-khan-father-of-us-muslim-soldier-entire-speech-sot.cnn(全編収録)

トランプは、7月29日に収録されたABCテレビのインタビューで、これに真っ向から文句をつけました。
キズル演説について、ヒラリー・クリントン陣営が原稿を用意したのではないかとほのめかしたあと、こう述べたのです。

オレは(注:アメリカのために)たくさん犠牲を払ってきたと思うね。本当に一生懸命に働いてきたし、数千もの雇用を生み出した。いや、万単位だよ。立派なビルもいっぱい建てた。オレは大変な成功を収めてきたんだ。

インタビュアーのジョージ・ステファノポロスは、「それが犠牲ということになるのか?」とツッコミを入れましたが、トランプは動じません。

もちろん、犠牲だと思うよ。数千もの人々を雇って、教育やら何やら、いろいろ面倒を見たんだから。
https://www.youtube.com/watch?v=hhy-xQbQ14s(全編収録)
http://abcnews.go.com/Politics/donald-trump-father-fallen-soldier-ive-made-lot/story?id=41015051(ハイライト)

Next: さらに7月30日、トランプ陣営は声明を発表。いわく…

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