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「叱られ上手」の松下幸之助は、なぜ褒めてくれる人を警戒したのか?=梅本泰則

できない理由

そして、叱るといえば、最近私はこんな経験をしました。付き合いの長い経営者と話をした時のことです。「最近、お客様の数は増えていますか?」と尋ねてみました。「なんだかさっぱりで、客が減っているようだよ」。

ついつい、私はお節介をしてしまいます。

「何か手を打っているのですか?」

「いや、特別に何もしていないさ」

「では、近所の方たちにもっとお店のことを知ってもらいましょうよ!」

「どんなことをしたらいいの?」

経営者は話に乗ってきました。そこで、その方法を提案し始めたのです。方法は、いつも皆さんに言っていることと同じです。

「手作りのチラシを作って、近所の家に配ってはどうですか?」

そんな暇はないよ

「では、買っていただいた近くのお客様を訪問して直接、お礼の手紙を渡されてはどうでしょう?」

そんな面倒なことはしたくないね

「では、お客様との食事会や旅行を企画するなどしてお客様と仲良くなるというのはどうですか?」

そういうことは苦手なんだよ

経営者は、ことごとく出来ない理由を申し立ててきます。珍しくむっとしてしまったので、「出来ない理由ばかりを探していても問題は解決しませんよ!」と、少しきつく言ってしまいました。

きっとこの経営者には、叱ってくれる存在が必要です。そうでなければ、いつまでたっても出来ない理由を探して何も手を打たないでしょう。付き合いが長いだけに、心配になります。少しでも、松下翁の言葉をかみしめてほしいものです。

いえ、皆さんは大丈夫です。叱ってくれる存在がいることは分かります。経営がうまくいっているのですから。

今日のツボ

  • 経営者には叱ってくれる人が必要である。
  • 後継者にとっては、親が叱ってくれる大切な存在である。
  • 兄弟が同時に経営にタッチすると、むずかしい場合がある。

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がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』(2017年4月19日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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