北朝鮮よりも中東情勢の雲行きが怪しくなってきました。米国は日本海に展開していた2隻の原子力空母のうち1隻を自国に戻し、もう1隻を中東に派遣しています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)
※本記事は、『マンさんの経済あらかると』2017年6月14日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。
北朝鮮より危ない中東情勢、米国のイスラエル支援で対立が激化
トランプ大統領はイラン重視
安倍政権は北朝鮮問題を米国のトランプ政権に委ねていますが、トランプ大統領にとっては、北朝鮮よりもイラン問題の方がはるかに重要です。
実際、日本海に展開していた2隻の原子力空母の1隻は本国に戻し、1隻は中東に派遣しました。北朝鮮に対しては米国自ら軍事行動に出る可能性は小さいのですが、イランに関してはかなり真剣に攻撃を考えていると見ます。
トランプ政権を支える陣容が100%イスラエル支援の形になっているためです。トランプ氏の父親フレッド・トランプ氏は、ナチス・ドイツから逃れてきたユダヤ・マネーの隠れ蓑として、不動産に投下させ、自らのビジネスを拡大するとともに、ユダヤとの特別な関係を構築したと言います。それが息子のドナルドに引き継がれています。
トランプ氏の不動産ビジネスのみならず、彼が手掛けるカジノも、ユダヤ・マネーと深くかかわっています。トランプ氏の財産構築の面はもちろん、大統領選挙資金もユダヤ・イスラエル・マネーに大きく依存しています。トランプ氏のユダヤ・イスラエル傾斜は、単なる心情的なものではなく、彼のビジネス、家庭、あらゆる面でユダヤと深く結びついています。
トランプを借金地獄から4度も救ったユダヤ・マネー
そしてトランプ政権を支える2人のキーパーソンもこのユダヤ系と深くかかわっています。1人はウイルバー・ロス商務長官で、もう1人がトランプ氏の娘イヴァンカの婿であるクシュナー氏です。まずウイルバー・ロス氏から見てみましょう。
ドナルド・トランプ氏はこれまで4回も経営破たんし、借金地獄に陥りましたが、その都度彼を助けたのが、現在商務長官のポストにあるウイルバー・ロス氏で、実際に動いたのはシティ・グループ、チェース・マンハッタン銀行、バンカーズ・トラスト(現在ドイツ銀の傘下)と言います。つまり、ロックフェラー、ロスチャイルドが影の支援者の可能性があります。
彼はジャパン・ソサエテイの会長も務めた知日派と言われますが、ロスチャイルド系の投資会社で大富豪となり、その時期にトランプ氏と知り合ったと言われます。中には、彼のロスという姓から、ロスチャイルドの血筋では、との見方もあります。