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「北方領土断固奪還」で最後に泣く国、笑う国、ほくそ笑む中国=北野幸伯

現在は戦争中という意識

危機を煽りたいわけではありませんが、事実として、日本は戦争中」と考えています。どの国と戦争中かというと、中国と。いつから戦争が始まったかというと、12年11月からです。

もちろん戦争というのは、「実戦」「戦闘」のことではありません。実戦、戦闘の前に、普通「情報戦」が行われます。まず、情報戦で、敵国(中国からすると日本)を「悪魔化」「孤立化」させ、弱体化させてから、必要なら戦闘を行います。今まで2,000回ぐらい書いていますが、中国は2012年11月、モスクワで、対日戦略「反日統一共同戦線」をロシアと韓国に伝えました。
絶対証拠 反日統一共同戦線を呼びかける中国

この戦略の骨子は、

  1. 中国、ロシア、韓国で、「反日統一共同戦線」をつくるべし!
  2. 中国、ロシア、韓国で、日本の領土要求を断念させるべし!(日本には、尖閣ばかりか、「沖縄」の領有権もない!)
  3. 「アメリカ」も反日統一共同戦線に引き入れるべし!

で、この後中国は、この戦略に沿って行動しているのです。ですから日本の戦略は、

  1. 日米同盟をさらに強化すべし!
  2. 日ロ関係を良好にし、中ロ同盟を無効化すべし!
  3. 日韓関係を正常化すべし!

となります。この話、「感情的」に受け入れがたい人もいるでしょう。しかし、中国の戦略を無効化し尖閣沖縄を守り戦争実戦戦闘を回避したければ、仕方がないことです。

日中戦争が起こる際のパターン

08年、私は「隷属国家日本の岐路」の中で、「尖閣から対立が激化し日中戦争が起こる可能性がある」と書きました。当時は誰も本気にしてくれませんでしたが、今は、よほどの「平和ボケ」でないかぎり、「あるかもしれないですね」と言います。

その時、どういう構成になるかがとても重要です。

  • 日本・アメリカ 対 中国

これは、日米必勝のケースです。ですから、日本は、トランプが勝ってもヒラリーが勝っても、アメリカと最高の関係を築かなければいけません。日米関係が強固であれば、中国も戦争を仕掛けづらくなる。必ず敗けるのですから。つまり、日米同盟はまさに平和の要」なのです。

2番目のケースは、

  • 日本 対 中国

中国の反日統一共同戦線戦略が成功すれば、こうなります。おそらく日本は勝てないでしょう。

3番目のケースは、

  • 日本 対 中国・ロシア

嗚呼、これは、勝利の可能性が1%もありません。絶対回避しなければならないパターン。

4番目のケースは、

  • 日本・アメリカ 対 中国・ロシア

こうなると、どっちが勝つかわかりません。しかし、アメリカが、日本の島のために中ロと戦うとは到底信じられません。いずれにしても日本は、必勝パターン、つまり

  • 日本・アメリカ 対 中国

の状態を常に保ちつづけなければならない。そのために必要なことは、

  1. 日米関係をますます強固にしていく
  2. ロシアを日本側(日米側)にひっぱりこむ

です。

Next: 世界最高の戦略家が説く「日本にとってロシアが重要である理由」とは

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