領土問題は棚上げが最良
既述のように、中国の脅威に立ち向かうために、ロシアとの関係改善は必須です。しかし、4島にしろ、2島返還にしろ、ロシアの現状からみると、「大損」であることに違いありません。もちろん、日本にはその「大損」を埋める「見返り」が要求されるでしょう。それは、日本とロシアをつなぐガスパイプライン建設でしょうか? 東シベリアへの大々的な投資でしょうか? いずれにしても日本にとってロシアは、「中国に対抗するために大事なのだ」という、「大戦略的視点」が必要です。
北方領土問題について、ルトワックはなんといっているのでしょうか?
日本政府が戦略的に必要な事態を本気で受け入れるつもりがあるならば、北方領土問題を脇に置き、無益な抗議を行わず、ロシア極東地域での日本の活動をこれ以上制限するのをやめるべきだ。
このこと自体が、同地域での中国人の活動を防ぐことになるし、ロシアが反中同盟に参加するための強力なインセンティブにもなるからだ。
出典:『自滅する中国』192p
安倍総理は、賢明な外交によってアメリカ、ロシアを味方につけ、尖閣、沖縄、そして日本を中国の脅威から守っていただきたいと思います。そっちの方が「歴史的」です。
『ロシア政治経済ジャーナル』(2016年9月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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