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なぜ北朝鮮の金正恩第1書記は核開発と幹部粛清をやめられないのか?=高野孟

どんなに国際的な非難を受けようとも、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮。政治圧力や経済制裁も効果がなく、彼らにこの「愚行」を諦めさせることはもはや不可能にすら感じられます。ところがメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では、「それは実に簡単なこと」とし、日本の公安などがすでに掴んでいる金正恩の「正気の素顔」を紹介するとともに、北朝鮮に核・ミサイル開発を止めさせる具体的方法について論じています。

気づかぬは安倍総理のみ? 元公安が明かす金正恩「正気」の素顔

北朝鮮に核開発を止めさせる、たった1つの方法

安倍晋三首相は9月26日の所信表明で、北朝鮮の核実験強行やミサイル発射の繰り返しについて「断じて容認できない」「断固として対応していく」と述べた。またその5日前の国連一般演説でも、15分間の持ち時間の3分の1を割いて「一連のミサイル発射と核弾頭の爆発は景色を一変させるもの」「国際社会に与える脅威は深刻の度を増し、一層現実的になった。もはや昨日までとは異なる新たな対処を必要としている」と強調した。しかし、聞こえてくるのは「断固」とか「決意」とかの空しい言葉ばかりで、その断固たる対応の中身については何ら意味のある提案はなかった

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人権抑圧を非難する政治的圧力、人道支援を除く経済制裁、ミサイル防衛などによる軍事的抑止の強化というだけでは「昨日までと異なる新たな対処」とはならない。安倍の2つの演説は、むしろ、北朝鮮の核・ミサイル開発を「だけでは押しとどめることが出来ないという手詰まり状態を表していると見るべきである。

発想を変えれば、北に核・ミサイル開発を止めさせるのは実に簡単なことで、本誌が前々から繰り返しているように(最近ではNo.824=今年2月15日号「安倍政権のイメージ操作か。北朝鮮が打ち上げたのは衛星ロケットだった」)、38度線の「休戦協定」を恒久的な「平和協定」に置き換える交渉を直ちに始めて、北朝鮮と韓国・米国とが国際法上、交戦国同士となっている状態を解消することである。

北にとって痛くも痒くもない圧力や制裁、300発は保有するというノドンを乱射されたらそのうちの何発かは撃ち落とせるかもしれないという程度のミサイル防衛強化などをいつまでも続けるよりも、交渉による問題の抜本的解決に向けて勇気をもって踏み出す時ではないか。

Next: 元公安調査庁調査第2部長が明かす「金正恩の素顔」と行動原理とは?

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