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ファミマとドンキの「熱愛発覚」を分析してわかった意外な好相性=栫井駿介

ドン・キホーテのしたたかな狙い

まず「物流機能」です。小売業界に限らず、トラックの運転手などの人材確保にはどの会社も頭を悩ませています。これを共通化することで、コストを削減するとともに将来的な人材の不足に備える狙いがあると考えられます。

次に、店舗運営です。総合スーパーでは、食品売り場はともかく、衣料品売り場は閑散としています。これは明らかに無駄な状態です。そこにドン・キホーテの店舗が入って、路面店と同じように客が入るようになれば、テナントを貸すスーパーにも客が増える相乗効果が期待できます。

ちなみに、ドン・キホーテは2007年に衣料品が主力のスーパー「長崎屋」を買収し、そのほとんどを「MEGAドン・キホーテ」に転換しています。これがドン・キホーテの成長を助けました。長期的にはアピタ・ピアゴでもそのような展開を目論んでいるかもしれません。

「商品開発」に関して、他の小売業に追随する形で、ドン・キホーテもプライベートブランドの育成に取り組んでいます。

「情熱価格」と銘打つブランドは、食品から家具・家電にまで及び、評判を集めています。最近では4K対応の50V型液晶テレビを5万円台という破格の値段で発売し、世間を驚かせました。

売れる商品を開発できれば、販売チャネルは多いにこしたことはありません。ドン・キホーテは、さらなる成長を目指してスーパーやコンビニの売り場も活用しようとしているのかもしれません。

受ける側にとっても悪くない話

もちろん、ユニー・ファミリーマート側にもこの話を受けるだけのメリットがあります。

同社の目下の課題は、グループのお荷物となっている総合スーパーをどのようにテコ入れするかです。仮にドン・キホーテに利用されたとしても、少しでも業績が回復するならそれで御の字でしょう。

総合スーパーの経営は、これまでの延長線ではもはや成り立たないほど厳しい状況に陥っています。そこに大なたを振るう意味でも、ドン・キホーテとの提携は役立つかもしれません。

また、ファミリーマートは何とかしてセブン-イレブンに追いつきたい気持ちが強くあります。ドン・キホーテの売れ筋プライベートブランドを店頭に並べて話題を呼べば、集客や売上の増加に貢献するでしょう。

買収ではないため、ファミリーマートがドン・キホーテになるような大胆な変化は臨めませんが、サークルKサンクスの統合により店舗数では追いついた今、次々に新たな手を売ってくる可能性があります

ここまで見ても、両社にとって悪いことはあまり見当たりません。交渉事なのでこのままうまく話が進むとも限りませんが、少なくともお互いの価値を毀損するような悪い話にはならないでしょう。

Next: 注目を集めるユニファミマ株とドンキHD株の「買い時」はいつ?

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