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ファミマとドンキの「熱愛発覚」を分析してわかった意外な好相性=栫井駿介

ドン・キホーテの本質は「エンターテインメント」

「何でも安く売る」ビジネスモデルが通用しないといったばかりですが、それを地で行くのがドン・キホーテです。さぞ苦しい経営環境に置かれているかと思いきや、このデフレ下において27期連続増収増益を達成しています。

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ドン・キホーテは、確かに「激安」を押し出していますが、その本質は安さだけではないのです。安さだけで対抗していたら、価格競争の波に飲まれて今頃とうの昔に潰れてしまっているでしょう。

店舗に出向くと、どこも例外なく商品が山のようにうず高く積まれています。売られている商品の種類も多種多様で、そこから欲しい物を見つけ出すのは、まさに「宝探し」のような感覚です。

そこへ、「ドンドンドン、ドンキー♪」の曲が流れてきたら、何だかとても楽しくなってしまいます。そうやって、多くの人が勢いで色んなものを購入してしまうのです。

つまり、ドン・キホーテの本質はその安さだけではなく、買い物を楽しむ「エンターテインメント」なのです。会社も自社のビジネスモデルを「時間消費型小売業」と呼び、他の小売店との差別化を図っています。

この差別化なら、多くの小売店の脅威になっているAmazonをはじめとするネットショップとは一線を画すことができます。ブランド品なども取り扱っていることからインバウンド需要も味方につけ、今最も勢いのある小売銘柄のひとつです。

提携を申し出たのはドン・キホーテ

今回の提携は、そんな絶好調のドン・キホーテが申し出たと言います。その狙いはどこにあるのでしょうか。

プレスリリースで謳われているのは「物流機能」「店舗運営」「商品開発」などです。これをドン・キホーテの視点から細かく読み解くことで、狙いが少しずつ見えてきます。

Next: ファミマはなぜ乗り気に?ドン・キホーテのしたたかな狙い

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