どう生き残る?勝ち組と負け組に分かれるレジットカード会社
もう一度、整理すると、アップルペイの登場によって、今後のクレジットカード業界はアップルペイに乗れるクレジットカードと乗れないクレジットカードの2つに大きく色分けされ、勝ち組と負け組の差がはっきり出てくる。
そこで、各社とも無理をしてでもアップルペイに乗ろうとする、これがシナリオのひとつです。
一方で、「アップルペイなんてたいしたことはない」、あるいは「グーグルペイというものも出てきた」ということで、当面は静観するというところが増える、という別のシナリオも考えられます。
どちらのシナリオ通りになるかは現時点ではわかりません。アップルペイに乗ったところもそれで満足しているだけでは本当の勝ち組になることはできません。何をしなければいけないのかというと、それは宣伝です。
アップルペイを使ったクレジットカード決済の方法、つまり基本的な使い方をウェブや雑誌でお金を使ってでも利用者に知ってもらわなければなりません。
では、アップルペイに対応していないクレジットカード会社は何もしなくていいのかといえば、決してそんなことはありません。
何もしなければユーザーに忘れ去られてしまいます。今まで以上にウェブや雑誌、ムックなどに記事や広告を出して存在をアピールし、ブランドイメージを高めていかなければなりません。
これまで日本のクレジットカード業界ではVISAとマスターカードの2つの国際ブランド、とりわけVISAの力が強く、手数料料率を同社が決めるなど、事実上日本のクレジットカード業界を仕切っていたといっても過言ではありません。
その見返りで、日本のクレジットカード会社はVISAやマスターカードに庇護された状態で、ほとんど競争がありませんでした。会員を増やすためにネットのアフィリエイトに広告を出していればそこそこ入会者があって、苦労しなくても収益は上がったのです。
しかし、広告ひとつとってもこれからはそんな受け身のものではダメで「アップルと共同でこんなにすごいサービスを開発している、だからうちのカードに入ってください」といった中身のあるものでなければ、ユーザーに対する訴求効果は期待できません。
より高度なPR戦略、宣伝戦略が求められることは明らかです。
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※本記事は、『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2016年12月1日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2016年12月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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世の中すっかりカード社会になりましたが、知っているようで知らないのがクレジットカードの世界。とくにゴールドカードやプラチナカードなどの情報はベールに包まれたままですから、なかなかリーチできません。また、最近は電子マネーや共通ポイントも勢いがあり、それらが複雑に絡み合いますから、こちらの知識も必要になってきました。私は30年にわたってクレジットカードの動向をウォッチしてきました。その体験と知識を総動員して、このメルマガで読者の疑問、質問に答えていこうと思います。ポイントの三重取り、プラチナカード入会の近道、いま一番旬のカードを教えて、などカードに関する疑問にできるだけお答えします。