なぜ?業界で急速に高まりつつある三井住友カードとJCBの力
ひとつはビューカード。これは別格で、Suicaと一心同体ですからアップルに組み込まれていると見ることができます。
そのほかのクレジットカードはiDとQUICPay(クイックペイ)のサービスに加わらないとアップルペイによるクレジットカード決済は利用できません。当然のことながらiDとクイックペイを発行しているクレジットカード会社が有利になり、そこがカード業界を仕切るようになります。
ではそこがどこかといえば、iDは三井住友カードでありドコモです。クイックペイはJCBとトヨタファイナンスということになります。
これらのクレジットカード会社はこれまで一生懸命に加盟店開拓をしてきました。クレジットカード決済の仕組みを作り込み、加盟店での取り扱い方法を指導してきました。そこが強みです。
iPhoneでアップルペイを使った決済サービスを利用するには、iDやクイックペイの加盟店でなければクレジットカードを使えないのです。
VISAやマスターカードはまったく関係ありません。そうなるとiDとクイックペイの加盟店が今後どんどん増えていくことが予想されます。
その結果、クレジットカード業界内での三井住友カードとJCBの力が急速に高まっていくことになります。
この両社にとってはまったく思いもかけなかった追い風です。追い風どころか突然の神風といっていいかもしれません。
ただ、現状では両社の加盟店の店数はVISAやマスターカードにくらべて圧倒的に少ないのも事実です。アップルとしてはVISAやマスターに対抗するため両社の加盟店を増やさなければならないのですから、そのためにいろいろな方策を講じるはずです。