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「中国不動産バブル崩壊」はウソ?ホント? 上海で“街の不動産屋さん”に聞いてみました

邱さんのかき入れ時は2月と9月。その理由と気になる収入は?

邱さんの商売のかき入れ時は、売買物件なら9~10月だそうです。

最大の理由は、上海の灼熱の夏が遠のき、物件を探すお客さんが外出しやすくなるから。

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加えて、内装工事に1ヶ月程度をかけ、その後、工事後の悪い空気を2ヶ月ほどかけて入れ替えることを考慮すると、新年からタイミングよく新居で暮らしはじめるには、この季節に物件を購入するのがベストなのだそうです。

いっぽう、賃貸物件の場合は2月と9月が繁忙期。2月は、旧正月明けに地方から仕事を探しにくる若者が上海にやって来ますし、9月は中国の年度始めのため、各省からの学生や他国からの留学生が大勢やって来るとのことです。

気になる売上は、閑散期で2~3万元(約47.5万円)、繁忙期で10万元(約190万円)くらい。調子のいい年は、年間60万元(約1,140万円)を売り上げることができるそうですよ。

約800メートルの路地ウラに、競合他店が7店舗も

邱さんが店舗を構える、約800メートルの“路地ウラ”。この通りは、「我愛我家」などの現地大手業者や小規模業者が7店舗も競合する、不動産仲介業の激戦区です。

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上海市虹口区周辺は、銀行やスーパー等の生活施設が一通り揃っており、地下鉄の駅や路線バスの停留場も近く、学生客が多く見込めるエリア。そのため各社こぞって出店するのですが、今回の訪問でも、経営不振から店じまいをしている不動産業者を見かけました。

あえて激戦エリアに絞って商売を続ける邱さんに、その理由を聞くと、「我々のような小さい会社にはブランド力がない。そんな商売ほど、人脈と口コミがモノを言う。それにはエリアを絞った方がいいんだよ」とのこと。

また大手業者に対抗するため、小規模業者同士で協力し、お互いが取り扱う物件を紹介しあい、得られた手数料を折半するといった取り組みも行っています。

ちなみに、そんな邱さんご夫妻は、現在の会社を創業する以前は某日系企業の工場で働いていました。邱さんは製造、奥様は営業として、6年以上を勤めたそうです。

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しかしやがて、日本留学経験があって日本語を話せる中国人ワーカーばかりを可愛がる日本人社員と、日本語を話せない一般中国人ワーカーの間で大規模な対立が発生。

後者に属していた邱さんご夫妻は、それを契機に、親族が経営していた不動産仲介業に鞍替えしたとのことでした。

このようなトラブルは、中国の日系企業では珍しくないのですが、そのせいで邱さんのように仕事熱心な方が日系企業から離れていってしまうのであれば、それは少しもったいない気もしました。

邱さん(50代)不動産仲介業
に景気アンケート!

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あなたの景気は100点満点で何点?
「70点くらいかな。最近、日本人と韓国人の留学生が減って、紹介件数が下がったからなぁ」

これから景気は良くなると思う?悪くなると思う?
「数年程度は上向きだろう。ただ10年先はわからんなぁ。特に不動産はな」

いまいちばん欲しいモノは何?
「家は賃貸用を含めて持っているし、クルマもある。物欲はこれといってないな。それよりも大学を卒業したばかりの娘だ。いま社会人1年目、将来有望な仕事で稼げるようになって欲しいよ。彼氏もまだいないようなんだが、ジンダオお前どうだ?」

路地ウラウォッチャー – ジンダオ

38歳・長崎市生まれ。中国上海に中国語ゼロで渡航して早11年目。語学留学を経て、語学学校の立ち上げ、中国横断3ヶ月バックパックなどドップリ中国にハマる生活。趣味は中華食べ歩きと中華アンティーク収集。訪中当初から中国人に間違えられるアジアンテイストな顔つきのお陰で、中国人に紛れ込むのはお手の物。

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