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今年は夏荒れ相場?「1万7000円の底値を売る」大失敗を犯さないための心構え=馬渕治好

足元の日経平均株価は、外部要因による下げから急反発し、高値更新を狙える水準にまで回復しました。これに対し、米CFA協会認定証券アナリストの馬渕治好氏は「先週の日本株はやや買われ過ぎ」だとし、アメリカの利上げという一大イベントを軸に、「20000円から一旦18000円に下落し、年末21000円になる」株価シナリオを紹介しています。

売りも買いも皆殺し。日本株の“夏荒れ”相場に警戒せよ

今週(7/20~)は、マクロ面(経済統計や大きな世界情勢)からは、材料を欠きます。そうしたなか、米国では4~6月期の企業決算が本格的に続き、日本でも徐々に発表社数が増え始めます。日本の企業決算は総じて堅調な内容になると推察されます。ただし、まだ通期の収益見通しを修正する企業は少ないでしょう。

日本の株価については、先週は株価は総じて上昇をみせたものの、売買高からみて早くも夏枯れ相場に入った、との声も聞かれます。今週も夏枯れのまま、大きく株価が上下に動かない、という展開になりそうですが、先週の株価がやや買われ過ぎだと考えているので、「夏荒れ」相場に陥る恐れもあり、要注意です。

「何となく」の日本株上昇をなぜ懸念するか

日本株の今年の展開については、一旦下落して、その後年末に向けて上昇する、というシナリオを、ずっと堅持してきました。

これまでの日本株の上振れ局面、たとえば6/1にかけての日経平均の12連騰や、6/24に向けての株価上昇については、当メールマガジンの通常号や号外で、こうした株価上昇は根拠が薄いものなので、下落する可能性が高い、と解説しました。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

また先週の株価の動きについても、当号で「浮かれ過ぎ」などと述べています。

このような筆者の姿勢について、「何故、株価が上がることがおかしい、と言うのですか、理由がどうあれ、株価が上がることは良いことではないですか」「株価が下がった方がうれしいのですか」「自分の見通しと違う方向の株価上昇だから、おかしいと言うのですか」といった声もいただきます。

そのため、何故、何となくの日本株上昇を懸念するのか、という点を述べます。

根拠のある株価上昇、すなわち、たとえば多くの企業について収益が予想以上に増えそうだ、との観測が強まる、あるいは、内外の経済指標が強く、日本経済全体としても力強さを増しそうだ、という展開になって、個々の銘柄が大いに買われて個別の株価が上昇し、結果として日経平均株価が上昇する、ということになれば、それはとても好ましいことです。

こうした裏付けのある株価上昇であれば、筆者の見通しが外れているなら、見通しを修正すればよいことです。

しかし、最近の日本株の上昇は、どうもそうした根拠を欠いており、雰囲気で上がっているとか、一部投資家(外国人短期筋など)の買いだけで上昇している、という感が強いです。

市場は、短期的に間違っても、長期的に正しい方向に修正が入ることが多いので(ただし、1989年末に向けてのバブルのように、間違いが長期続くことはあります)、ふわふわと根拠なく上げた分は、その後消え失せると懸念されます。

アメリカの利上げを軸に考える、今年後半の株価シナリオ

筆者の基本となる今年の株価シナリオは、米国市場の買われ過ぎが、連銀の利上げを口実に修正され(つまり米株安、米債券価格安、米ドル安が生じ)、日本で特に悪いことが起こるわけではないですが、それに日本株が巻き込まれる、というものです。

日経平均株価で言えば、20000円から一旦18000円に下落し、年末21000円になっている、というイメージです。つまり、2000円下げて、そこから3000円上げる、というものです。

ところが20000円からふわふわと21000円に上げるようなことになると、その後18000円に「正しく」修正が入った場合、ピークから3000円幅下げることとなります。当初シナリオより大きな下げになってしまうわけですが、下げが大きくなると、高値で買った人がより多くパニックを起こし、18000円で間違って投げ売りします。

すると、本来は18000円で止まるはずの株価が、17000円まで下落するかもしれません。

つまり、20000円→21000円→17000円→21000円となって、1000円上げ、4000円下がり、4000円上がる、という、激しい相場になってしまいます。

こうした相場展開になると、最初21000円になった時に「これは構造的、長期的に、日本株はどんどん上がっていく正当な理由があるのだ!」と買いを煽る専門家が続出し、17000円に下落すると「世界経済は地獄に落ちる、日本株はここからさらに大暴落だ」と売りを叫ぶ専門家が、わらわらと現れることがよくあります。

すると投資初心者の方が、21000円で思い切り買って、17000円で思い切り売ったりします。

そうした高値買い、安値売りをするのも自己責任なので、放っておけばよい、という方も多いのですが、せっかく「株式投資というものを始めてみようか」と思った方が、激しい相場で大きな損失を被り、「やっぱり株式投資はばくちだ、もう全財産は定期預金にして、一生株式投資などするもんか」となっては残念だ、と考えています。

したがって、理由なく株価が大きく下落している時はもちろんですが、根拠の薄い株価上昇(と筆者が考える局面)に対しても、警告することが、我々専門家の責務だろう、と信じます。

また、大きく変動しかねない株式市況とどう対峙するか、長期的にコツコツ資産を積み上げていく投資とはどのようなものか、といった投資手法を伝えていく、というのも、大事なことだと考えます(もちろん、コツコツではなく、思い切り買ったり売ったり短期的にしたい、と考える人が、自己責任でそうするのも自由です)。

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2015年7月19日号)より一部抜粋
※太字とチャート画像はMONEY VOICE編集部による

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