まず、どんな遺言書でも良いわけではない、ということです。
例えば、「遺言執行者」を、遺言書の中でしっかり定めておくこと。また、財産をきちんと特定できる形で記載すること。公正証書遺言でのこすこと。
こういったことに気を付けて作成する必要があります。
そしてもう一点が、銀行ルール。
法律上は遺言執行者がきちんと決まっていれば、他の相続人(たとえば認知症の方)の同意など不要なはずです。
しかし金融機関によっては、遺言書の形式等はまったく問題なく、執行者も定めてあって、しかも公正証書遺言であったとしても、「もらう人」以外の相続人の確認が必要ということもあるのです。
遺言書の本来の目的からすれば、まったくもって本末転倒な話なわけですが・・。(本当に遺言書を広めようと思ったら、控除の制度よりもこういったところの是正の方が近道だと思うほどです。)
もちろん実際の相続の際は見解の相違を埋めるために最善はつくしますが、この銀行ルールをひっくり返すのは結構大変です。
最終的にOKだったとしても、これで時間がかかってしまっては意味がありません。
遺言書の作成を検討される場合、特に手続き上の負担軽減のために遺言書を作成する際は、事前にご自身の口座がある金融機関の対応を確認しておいて頂きたいと思います。
『こころをつなぐ、相続のハナシ』2015/7/22号より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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