栄枯盛衰の激しい業界で「経済の堀」を築けるか
投資対象としての回転寿司チェーンをどう見たら良いでしょうか。株価の水準は表のようになっています。
PERを並べると、利益水準の低いかっぱ寿司が割高に見えますが、今後の収益回復を見越しての水準かもしれません。時価総額と各社の規模感を比較すると妥当に見えます。スシローやくら寿司のPERは20倍台と、割安とも割高とも言えない水準です。
回転寿司チェーンは、高い利益率を出すことは難しいと思われるため、規模を拡大させながら成長していくことになります。競争が激化して市場が飽和する中で、ファミリーレストランを始めとする他業種との縄張り争いも熾烈を極めるでしょう。
ちなみに、私は外食チェーンへの投資は得意ではありません。チェーン展開の成長力は魅力的なものがありますが、栄枯盛衰のスピードも早く、いつまで競争優位が続くかわからないからです。バフェットの言う「経済の堀」を見出しにくいのです。
もっとも、バフェットがマクドナルドへ投資していたように、その地位を確固たるものにしていれば「経済の堀」の確立は可能です。各回転寿司チェーンもそのような立場を目指してそれぞれの道を邁進してもらいたいと思います。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年8月26日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。