寿命100年が現実的になっている。長生きすればするほど「生き延びる」ために資産が必要になってくる現状で、いったい日本人はいくら用意すればいいのだろうか。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』鈴木傾城)
※本記事は有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2018年7月8日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
もはや長生きは地獄の一丁目。老後資金を減らさない方法はあるか
ついに寿命は100歳へ
あなたは自分が何歳まで生きると考えているだろうか? そして、何歳まで生きたいだろうか。80歳だろうか、それとも90歳だろうか。
織田信長は死に直面して敦盛の「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」と詠っているが、1500年代の人間たちは平均寿命は約50歳ほどであった。
しかし今の時代、50歳で死んだら「若くして死んだ」と言われる。日本人の平均寿命は2016年で女性87.14歳、男性80.98歳となっている。
平均寿命はずっと延びている。今後、アンチエイジングの研究がさらに進めば、もっと寿命が延びていく確率が非常に高まっている。
※参考:本当なのか? 数年のうちに長寿が実現し寿命は100歳になる – ダークネス:鈴木傾城(2018年3月1日配信)
長生きにはお金がかかる
ところで、資本主義の世の中では、長生きすればするほど「生き延びる」ために資産が必要になってくる。
高齢化社会が深刻化する中で、日本政府は「生涯現役社会」を実現しようと画策している。しかし実際のところは、65歳も過ぎると体力的にも気力的にも現役を貫くのは大変なことであり、年金と貯金で生きていくのが現実の姿となる。
問題は、老後にいくら必要なのか、ということだ。
老後に必要な貯蓄額は「1,000万円あれば十分」という意見もある。あるいは「5,000万円は必要」という意見もある。
これはその人のライフスタイルによるので、一概に「いくら」とは言えない問題だ。
しかし、仮に貯蓄額が1,000万円で毎月10万円の貯金を取り崩して生きるとすれば、だいたい7年で貯金が底をつくことになる。貯金を取り崩す1ヶ月の上限を5万円にしたら14年は持つ。
ただし、14年の間にインフレが来たり、重い病気になったり、事故に遭ったり、リフォームや家族の不幸などの不意の出費があったりするのは世の常なので、そうなると14年も心許ない。
5,000万円あれば、それほど節約に次ぐ節約はしないでも、何とかなるかもしれない。だが、下手に長生きしたら、やはりどこかで貯金が底をつく可能性はゼロではない。