ゴールドは「ただの金属」
ゴールドもすべて売り払ったのは、現代の資本主義で富の源泉となっているのはゴールドではなく多国籍企業が生み出す付加価値と利益であるということに気づいたからだ。
ゴールドなど、ただの金属である。成長もしないし、利益も生まないし、配当もない。インフレヘッジくらいはするかもしれないが、それ以上の存在にはならない。金本位制に戻ることもない。
これについては、下記の記事でも触れているので読んで欲しい。
このような経緯があって、私は2012年からアメリカの優良企業へのフルインベストに入ったのだが、結果から言うと私の判断は完全に正しかった。すべての人はアメリカの優良企業に「フルインベストすべきだった」のである。
では、これからはどうなのか。
アメリカの企業に投資する戦略は今後も有効か?
過去を振り返って「ああすればよかった、こうすればよかった」というのは誰でもできる。
チャートを眺めて「ここで買ってここで売ればよかった」というのは誰でも言える。過去のチャートを見て買い時と売り時を間違える人はいない。
しかし過去はあくまでも「終わった出来事」である。タイムマシーンで戻れるわけでもなければ、同じパターンを再現できるわけでもない。過去がどうだったかはほとんどの人には「もう、どうでもいい」話のはずだ。
では、未来はどうなのか。アメリカの多国籍企業に投資するというのは、これからも有効な戦略として通用するのか。
結論から言うと、これからも通用する。アメリカの多国籍企業に投資する戦略はこれからも効き続ける。
資産を日本円で持って日本の銀行に定期預金で預けるよりも、ゴールドにして裏庭に埋めて隠すよりも、日本企業に賭けるよりも、中国や新興国に賭けるよりも、割が良い。
日本は深刻極まりない少子高齢化が何らかの方法で解決できない限りは国の衰退は避けられない運命にある。社会保障費が増大していく一方であるのも気がかりだ。
ゴールドは長く持っていても増えないし、インフレヘッジ以上の価値はない。
中国は合法・非合法を問わず、あらゆる手段で国外から技術を徹底的に盗んで大国になった国であり、最近はこのような傲慢なやり方が非難されるようになっている国だ。情報統制・隠蔽・捏造に明け暮れる体質を見ても、この国が次世代のイノベーションを生み出せる国ではないのは分かる。人口が多いので国内市場を独占した企業は巨大化するが、世界をリードできるような環境にはない。
新興国はアメリカが利上げすると、すぐに資金ショートを起こして吹き飛びそうな脆弱性を持ち、ここから継続的かつ革新的なイノベーションや金融市場は生まれない。
多角的に考えてみると、結局は「アメリカの多国籍企業の優位性は揺らがない」ということに気付くはずだ。