中国では「信用スコア」競争がブームに
信用スコアが高いことで得られる特典には、例えば、旅行でホテルを予約する際のデポジット、賃貸サイトでの敷金、レンタカーの預かり金が不要になるなどがあります。
隣に住む◯◯さんがホテルで割引を受けたというと、負けてはならじと村民一同が点数アップに競い合うようになっています。
また、スコアが高い方が、ローンを借りる際も金利が低くなる仕組みになっていますし、就職の面接や婚活でも有利になるというので、中国国民は点数を上げるのに夢中になっており、ごま信用そのものがブーム化しています。
その影響でアリベイの発行数が増加し、利用金額が上がったそうです。
いったん転びだすと、地獄の底まで落ちてしまう…
しかし、点数を一本調子で上げ続けることは簡単ではありません。かなり難しいといえます。
というのもアリベイの場合は、「いいね」の数であるとか、シェア自転車を返し忘れたなど素行や道徳に関する評価項目が数多くあり、それをいちいちクリアしなければならないからです。
そのため、いったん点数が下がりだすと、これまで享受できた特典の数々を手放さねばならなくなり、就職や結婚でも優遇されることはなくなる傾向にあります。
いってみれば、人生のチャンスを1つずつ潰されていくようなものですから、これはこたえます。その結果、社会の格差がさらに広がり、固定化するといった問題も起きているようです。
中国政府も全面的に協力
中国政府もこのスコアには全面的に協力しており、政府が持つ国民の個人情報もそこに投入されている模様です。
また、日頃のネットへの書き込みなどで国の方針と異なっていたりすると、ある日突然、「AIの指摘で君は反逆者となった」と公安に拘束されることもあり得るのです。